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海上自衛隊の仕事は現金輸送?

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普通科隊の大規模災害救援、航空救難隊の荒天時救難など、自衛隊出動は自衛隊でなければ不可能な任務があります。

目次

任務は現金輸送

1972年、米国統治下にあった沖縄が日本に返還されました。
米国統治下の沖縄の通貨は米ドルでしたが、日本復帰後は円に変わります。

当然、沖縄で流通しているドルを円に交換しなければならず、そのための円通貨を本土から持って来なければいけません。

その額、約542億円、現在の1500億円以上相当の大金ですが、問題は紙幣硬貨を含むその物量で総重量315t、3tコンテナ161個の現金でした。

たんなる貨物なら民間輸送会社に任せればいいのですが、これだけの現ナマはそういう訳にはいきません。
輸送能力もさることながら、それ以上に保安能力が問われる輸送だからです。

日本でそれら両方の能力を持つ組織といえば、自衛隊しかありません。
そこで海上自衛隊の輸送艦に現金輸送の任務が下命されました。

輸送艦 初代「おおすみ」と「しれとこ」

任務を割り当てられたのは、海自輸送艦 初代「おおすみ」と「しれとこ」。
両艦共に海上自衛隊に供与された元米軍戦車揚陸艦で、40mm機銃を装備していました。

当時の世相は反自衛隊・反米軍・反沖縄返還(米軍基地付の)の動きが激しく、沖縄各地で総計10万人、本土210ヶ所12万人の反対集会があり、東京では機動隊との衝突で逮捕者1640人、負傷者77人が出るという大騒動の渦中でした。
従ってこの輸送の備えは単なる強奪に対するだけではなく、政治的なテロに対しても必要でした。

輸送開始の日、警視庁警察官500人警護の下、日本銀行本店から陸路で海上保安庁厳戒下の大井ふ頭へ。
そして海中の船底まで潜水員が潜って安全を確かめた海自輸送艦に搬入されました。

沖縄へは民間船舶と重ならない極秘の航路をとり、3隻の護衛艦と対潜哨戒機が警護にあたりました。
そして沖縄では一般港ではなく米軍管理の那覇港に入港。

円貨を降ろした後、輸送艦2隻は数日そのまま待機し、回収されたドル貨を積んで折り返し本土に輸送する任務に再びつきました。
因みにこの作戦には万が一のために陸自ヘリ3機と空自輸送機が待機していました。

2代目「おおすみ」

現在の輸送艦「おおすみ」は2代目で、一見空母かと思われる全通甲板の形状になっています。
同じ全通甲板で大型の「いずも」「かが」は実質ヘリ護衛艦で、F35B戦闘機の発着ができるよう改装が可能となっています。

これは近年俄かに厳しくなってきた東シナ海の軍事的緊張への対処が目的で、「おおすみ」の任務も現金輸送ではない、海自輸送艦として本来の任務の重要性が高まっています。

歴史大好きじいさんです。
自衛隊さん、そんな仕事までしていたの?!

参照サイト:緑のgooコラム 542億円の現金輸送

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