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おじいちゃん

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子供の頃、祖父母の家に遊びに行くと、晩酌をしている祖父がよく語る話がありました。

それは、田んぼで農作業をした帰り、暗い夜道を一人歩いていると、火の魂がでた事。
揺れる青白い光を何度も見たそうです。

また住んでいた平屋の家では、屋根裏をバタバタと子供が駆け回る音がして、祖母も一緒に聞いたので二人で「座敷童かね?」と話していたそうです。何度も経験したとか。

「俺は霊感が強いんだ」と自慢げに語り、戦争体験もしている祖父の話は、私の中では完全にゲゲゲの鬼太郎の世界として写っていました。

特に印象に残っているのは、代々農家で広い土地を持っていた祖父の家系。
バブルの時期、土地開発のため不動産会社がすごい勢いで土地を買い漁っていました。祖父は当初断っていましたが、相手の言い値もどんどん上がり、次第に土地を売ってもいいかと契約書に判を押したのです。

しかし、そこからお金は一向に振り込まれず、土地の権利のみ騙し盗られたことに気づきました。
祖父は憤慨し、裁判も起こしましてが、巧妙なやり口だったため敗訴。
大変な恨みを持ちました。

数ヶ月後、その不動産会社がバスを貸切って社員旅行へ出かけました。しかしバスごと崖から転落し社員のほとんどが亡くなった事を、祖父は新聞で知りました。

「ざまぁみろ!俺をダマすとこうなるんだ!!」

そう言ったことは1度ではなく、その後も祖父を騙した友人が亡くなるなどし
「オレに恨みを抱かれた相手は必ず死ぬんだよ」
そう語る祖父が、子供心に怖いと感じました。

つい最近、その話を思い出して知人に話すと
「昭和はそういう悪質な会社も多そうだし、みんなダマされて、もの凄い恨みを買ってたんじゃないの?」
との意見に、ものすごく納得しました。

大勢の恨みを乗せて出発した貸切バス旅行…

祖父のセリフでもうひとつ忘れられないものが。
「オレが死んだら、お前の事を守ってるやるからな!」
当時は笑って聞き流しましたが、ふと思い出す
『…いま、もしかしているのかな?』

私に暴言を吐いた元親友、パワハラ気質だった社長、ほかにも数人、みんな亡くなりました。
無意識の恨みを持つことは、私の場合とくにやめておいたほうがいいのかもしれません。

グホレフ

「奇妙な話を聞かせ続けて・・・」の応募作品です。
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※画像はイメージです。

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