中の人と目が合った

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今回の話は火葬場の職員ならば経験のあることかもしれませんが、少し不謹慎な話かもしれません。
その上、気のせいだ、偶然だといわれてしまう可能性も高いでしょうが、私にとってはかつてない体験であることに間違いはありません。

それは私が1人で火葬するという日の出来事でした。
勤めていた火葬場では、本来、火葬を行う際は2人となっています。
ただ、その日はもう1人が他の火葬場へ助っ人に行きましたので、私のみで行うことがあらかじめ決まっていました。
1人だとしても、やるべきことが多少増える程度なので、十分に問題なく火葬を行うことは可能です。

目次

火葬中の職員

火葬中の職員は、ご遺体の頭側にある小さなのぞき窓から、骨になるまでの過程を見届けます。
この間、ご遺体にはさまざまな変化が起こり、そのひとつが「動く」という現象です。もちろん、霊的なものではなく、あくまで高熱による筋肉や組織の収縮によるものです。

とくに衝撃的なのは、頻繁に起こるわけではありませんが上半身がゆっくりと起き上がるように動くときです。
いずれにしましても、初めて目にした職員に強い印象を残し、トラウマになる方もいます。

「動く」事は実務上での問題が起こります。
炎の位置からずれてしまうと、焼きムラが起きて時間が大幅に延びたり、場合によっては骨が完全に焼けず、ご遺族のお骨上げができなくなることもあります。
そのため職員は金属の棒を使って、慎重にご遺体の位置を調整することがあります。

ご遺族の中には、「火葬の様子を見たい」と希望される方もいます。しかし、火葬の現場は想像以上に過酷で、遺体の変化を直視するのは非常に辛い体験です。
そのため、私たちはどんなに頼まれても、見学はお断りしています。

思いもよらない

いつものようにご遺体の様子を監視していたときのことです。
これまでにもいろいろなご遺体の動きを見てきましたが、まったく違ったのです。

仰向けに横たわっていたご遺体の頭部がゆっくりとのけぞるように動き出し、次の瞬間、頭が反り返って、こちらに顔が向くと”カッ”と目が開きました。
まるで、のぞき窓の外にいる私を睨めつけているかのようで、思わずその場を離れ、硬直してしまいました。

よりによって自分以外誰も居ない空間で、火葬中のご遺体と目を合わせるとは思いません。
偶然そうなっただけといえば理屈としてはわかりますが、自分の中では収まりがつきません。

火葬中のご遺体を放置するわけにはいかず、少し間を置いて意を決し、再び様子を見ました。
すると、すでにいつも見るような骨が散らばった光景に戻っており、火葬は無事に終了しました。

なにを語る?

その後はお骨に手を合わせ、ご遺族のためにお骨の位置を整えを、周りを掃除し、収骨室でお骨上げをしていただき、何事も変わったことはなく葬儀は終了しました。

かなりの時間が経った今でも、あのときの光景が脳裏に焼き付き、鮮明に覚えています。
同時に、あのご遺体が何かを語りたかったのではないだろうかと、思い返すたびに胸がざわつきます。

※画像はイメージです。

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