ワグナー事件は1913年にドイツのミュールハウゼン村という小さな村で起こった事件だ。
銃乱射事件は世界中であれども、犯人の動機があからさまにおかしい。
どんな事件だったのか、簡単に解説していきたいと思う。
エルンスト・ワーグナーの人物像
まず犯人のエルンスト・アウグスト・ワーグナーの半生を説明しよう。
1874年9月22日、エグロスハイムという村で生まれ、貧しい家庭の末子、父は酒に溺れ、母は陰気なビッチ。
父が他界した後に、母は別な男と再婚するが長くは続かなかったようだ。
赤貧で劣悪な環境でありながらも、ワグナーは活発な性格で成績も優秀だったという。
ただし父親譲りの名誉欲、そこに早熟なオナニストでコンプレックス持ちという歪な性格な子供だった。
20歳になると教師となり、国民学校で教えるようになった。
人格者っぽい外面とは裏腹に、他人を見下す自意識過剰インテリ野郎。
1901年、ミュールハウゼン村に赴任するやいなや、居酒屋の娘を孕ませ、捨てるつもりが無理やり結婚させられてしまう。
なかなかのクソ野郎。
しかしこの事実が学校にバレて、家族とともに転任させられてしまう。
ワーグナーの憤り
1913年9月4日の早朝、家族を皆殺しにした後、多数の銃で武装してミュールハウゼン村に向かった。
赴任したばかりの頃、酔って獣姦したのを村人に見られて迫害された復讐をする為に。
同日の夜11時頃、村に到着するやいなや放火、逃げ惑う人々に銃を乱射し殺害していき、最後は警官と村人たちにリンチされてとらえられた。
後に解ったことだが、男性のみを殺害するつもりだった事、村の粛清の後に姉の一家を皆殺にして自殺する予定だったのだ。
凶行の理由
事件における最大の疑問は、追放された直後であればともかく、12年もの年月を経てなぜ犯行に至ったのかという点である。
この点については史料上の記録は存在せず、確実な理由は分かっていない。しかし推測するに、偶然にも「その動物」を目にしたことが、過去の記憶を呼び覚ますきっかけになった可能性がある。
ワグナーは自意識が過剰な性格であったとされ、長年にわたって心の中に蓄積された過去の汚点が恨みのように増徴され、突発的な行動へとつながったのではないかと考えられる。
しかし逆恨みによる復讐劇では無かった。
事実関係を調べる為、村人聞き込み調査をすると、誰も獣姦行為の事を知らなかった。
人生の汚点だから話したくないのであろうか、ワグナー本人も詳細を語らない。
結論からすると、ワグナーの凶行の根本的な理由は「思い込み」であったと考えられる。
ワグナー自身は自分の過去の行動が村人に知られ、嘲笑され、迫害されたと信じ込んでいた。
この被害妄想が次第に強まり、復讐心へと変わっていったのだが、全ては本人の妄想でしかなかったのだ。
結末
ワーグナーは責任能力なしと判断され免訴。
妄想性パーソナリティ障害患者として療養所された後、結核でひっそりと亡くなった。
「思い込み」の恐ろしさを改めて知った。
そんなこと(妄想)で殺害された家族や村人は浮かばれないだろう。
※画像はイメージです。


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