ロシアの大規模な軍事演習である「ボストーク(東方)2018」が、2018年9月11日に開催されました。
今回の「ボストーク(東方)2018」は、冷戦後の最も大規模な軍事演習となる模様で、極東やシベリアなどで行われます。17日まで実施が予定されているこの演習には、延べ30万人が動員され、軍用機1000機、軍用車両3万6000台、艦船30隻が参加すると伝えられています。ロシアのショイグ国防相からは、旧ソ連時代の1981年の演習以降で、最大規模の演習になると発表しています。
また、これまではロシア軍単独で実施されていた同演習に 今回初めて中国が参加、中国は兵士3200人、軍用車両900台、軍用機30機を派遣するとされています。加えて、モンゴル軍も参加する事が発表されており、東シベリアのザバイカル地方で実施するとされています。
4年前の前回の「ヴォストーク2014」においては、北方領土を巡る日本とロシアとの紛争に対してアメリカが介入してくる事を睨み、北方領土そのものの防衛訓練にプラスして、核抑止力の基盤としてのオホーツク海の防衛を鑑みたものと見られる北極圏への緊急展開の訓練が行われていました。このような想定の内容が今秋の演習にも引き続き行われるものと思われています。元々「ヴォストーク」演習は、オホーツク海周辺での対日本・対アメリカの演習と並行し、ロシアの本土において大規模な地上戦演習が実施されるのがこれまでの流れとなっていました。
つまり、明言はされないものの、明らかに対中国の戦いを前提においた演習であると考えられていました。このような性格の軍事演習に対して、今回の中国からの大部隊の参加という事実は、ロシアから見た中国が仮想敵国としての見方が弱まり、今後の中露の関係において重大な転換点を迎える可能性を持つものと考えられています。
※写真はイメージです
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