私の家は江戸時代前から続く古い家柄で、昔はそれなりの財があり裕福だったらしいのですが、母の代になり急激に廃れていったのです。
甘やかされて世間知らずに育った母親が、同じような家柄の放蕩息子の父親と結婚したのが原因だと親族からは言われているのですが、それだけではないと思う事があります。
度重なる不幸
最初にケチがついたのは、父と母が結婚したその次の年に火事になって、母屋が全焼してしまいました。その次の年にも納屋から出火。
警察と消防局が調べたのですが原因は解らず、怨恨での付け火とも噂されていました。
それから15年して、再び火事に見舞われてしまいます。
幸いにも母屋は焼け残りましたが、時を同じくして、同時に父親が事業に失敗してしまったのです。
莫大いな借金を背負ってしまい、父の家の財産をすべて処分して返済したのですが、責任を感じて練炭で自殺を図ったのですが、離れを全焼させ本人は死ぬことはなく、結果、自殺未遂となってしまいました。
そう我が家は何か、祟られてるのかと思うくらい相次いで火の災いにみまわれるのです。
何かがいた?
だいぶ時間が経過した今、私は社会人になって家を出て、別の場所で暮らしていますが、祖母が亡くなって一周忌をするために家に帰ってきた時の事です。
実家の広い敷地には、松等の庭木がたくさん植えてあり、見事な日本庭園だったのですが、なんと母がすべて伐採し売り払ってしまったいたのです。
庭木は生霊が宿るとされているものとされているので、自分の都合で伐採してしまった母に恐ろしさを感じました。
その晩、私は実家に泊まったのですが、夜中にトイレに起きたとき、髪を乱して能面のような表情をした真っ赤の着物の女が、座敷の奥に立っていたのです。
腰を抜かすほどびっくりして思わず叫びそうになったのですが、スゥとすっと消えていったのです。
夢だとは思うのですが、真っ赤の着物には鮮やかな刺繍がほどこしてあったことを鮮明に覚えてします。
翌朝、母に話すと寝ぼけたのだろうと一括されてオシマイでした。
いったいなにが?
法事以来、母はしきりに金、金と電話してくるようになり、いい加減にうんざりしていた時でした。
母が寝ていた寝室から出火して、母が亡くなったと連絡がありましたが、原因は解らないようです。
災いにとりつかれた一族で、あの真っ赤な着物の女は祟り神なのでしょうか?
確かな事は解りませんが、私にも災いが降りかかるような気がしてとても恐ろしい。
※画像はイメージです。
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