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米太平洋軍司令官も注目する、陸上自衛隊の「12式地対艦誘導弾」

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ハワイ・オアフ島および、その周辺海域(一部サンディエゴ沖)において、2018年6月27日~8月2日まで実施されているのが、環太平洋合同演習「リムパック2018」です。約2年に一度、偶数年に開催されている世界最大規模の軍事演習で、今年(2018年)は米国、フランス、日本、韓国、インドなど25カ国が参加しました。

今回、環太平洋合同演習「リムパック2018」には、海上自衛隊からはヘリコプター搭載護衛艦の「いせ」と、2機のP-3Cが参加しています。1980年の初参加以来、最も少ない参加隻数ですが、会場自衛隊だけではなく、陸上自衛隊も参加し、アメリカ太平洋軍のハリー・ハリス司令官も以前興味を示した「12式地対艦誘導弾」の射撃訓練が実施されました。

■12式地対艦誘導弾
By JGSDF [CC BY 2.0 ], via Wikimedia Commons

12式地対艦誘導弾は、車両搭載型の対艦ミサイルで、発射後はあらかじめプログラムされたコースに沿って低空を飛翔し、海上の敵艦艇を攻撃するミサイルです。車両搭載型につき、敵に発見されにくい山陰などに展開して発射可能で、射程は約200キロとされています。

今回の演習では、ハワイ・カウアイ島にてこの「12式地対艦誘導弾」とアメリカ陸軍の高機動ロケット発射機「HIMARS」の射撃訓練が行われました。標的には、退役したアメリカの戦車揚陸艦「ラシーン」が使用され、日米同時弾着により全弾命中を実現しました。

■HIMARS (High Mobility Artillery Rocket System)
By U.S. Army photo [Public domain], via Wikimedia Commons

南西諸島での中国の脅威が顕在化している現在、この兵器は離島防衛の要といえるものです。防衛省ではこれまで空白域だった南西諸島への部隊配備を進め、2017年3月の与那国島を皮切りにして、今後は沖縄県の宮古島、石垣島、鹿児島県の奄美大島にも部隊を配備する予定です。

実践配備されれば周辺を航行する艦船への牽制と抑止の効果が期待されるため、日本喪にならず、アメリカも注目している兵器です。こうした陸上からの対艦攻撃能力を南シナ海まで拡大することで、膨張を続ける中国艦船の進出を封じ込める狙いがあります。さらに射程を延長した12式の後継ミサイルの研究開発も2018年度から予算化されており、離島防衛の強化が図られています。

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