熊とライオンどちらが強い?新幹線とジェット機は?そんな妄想を一度でも繰り広げた経験がある人におすすめしたいのが、今回ご紹介するアニメ『十二大戦』だ。
十二支の能力を持った十二人の戦士による仁義なきバトルロワイヤルを描いたこちらの作品、テーマを聞いただけでもエキサイティングな内容の本作。今回はその魅力に迫ってみよう。
今度は十二支だ!!西尾維新がおくる異色の意能バトルロワイヤル『十二大戦』
アニメや漫画に慣れ親しんだオタクには馴染み深いバトルロワイヤルもの。なかでも古の英雄や神話の神が戦う作品は人気が出やすいのは皆さんご存知の通り。だが今回取り上げるアニメ『十二大戦』は一味違う。本作でバトルロワイヤルを繰り広げるのはなんと「十二支」。
他の作品のように偉人や英雄がNO.1をめぐって戦うのではなく、バトルの中心になるのは、「干支の動物」というわけ。といっても彼らがそのまま戦うわけではもちろんない。戦うのは十二支の能力を持った人間の戦士たちだ。
ざっくりとあらすじを説明すると、彼ら十二支の戦士たちは、12年に一度世界のどこかで行われる「十二大戦」で、勝者のみに与えられる「願いをかなえる権利」をめぐって最後の一人になるまで戦うというもの。はっきり言って「十二支」以外はやや厳しい言い方をすればありきたりと言えるかもしれない。だが、ここで光るのが『化物語』をはじめ数々のヒット作を生み出してきた、原作者西尾維新の手腕だ。世界観設定からキャラメイクまで、まさに西尾節全開といったところのある本作。
ひねりの効いた設定と展開に振り回されるうち、どんどん引き込まれていくこと間違いなし。アニメ版『十二大戦』はテンプレな設定を活かしつつ、西尾維新ならではのテイストで物語をツイストさせた個性あふれる作品を言えるだろう。
西尾テイスト前回?混沌の十二支バトルロワイヤルを制する能力とは
それぞれの願いを賭けて十二年に一度のバトルロワイヤルを繰り広げる『十二大戦』。願いを叶えるために異能力者がバトルする。そんなベタな設定を踏襲しつつ、ヒットメーカー西尾維新の手腕でサバイバルゲームをツイストさせた本作なのだが、その魅力はやはり作品の随所に光る「西尾節」だ。
本作のメインとなる12人の戦士たち。そのキャラ設定の随所に西尾作品ならではの遊び後心が光っている。彼らの能力や戦闘スタイルをひとつひとつ詳細に挙げてしまうとネタバレになってしまうのでこの記事では詳しく書かないが、彼らの属性一つとっても傭兵から保育士(!)まで実に多種多様。ここに十二支になぞらえた戦士としての能力とバトルスタイルが加わる。この説明だけでも、本作の「キャラの濃さ」は特濃レベルと言っていいだろう。
物語をけん引する彼らの能力やバトルスタイルは、濃い設定のなかでもさらに「濃い」基本モチーフとなった干支の動物になぞらえて設定されているのだが、「猪突猛進」の言葉の通りマシンガンをリロードなしで撃ち続けるイノシシの戦士から、酔っ払いを「大トラ」と呼ぶのになぞらえて酔拳を使う寅の戦士など。
わかりやすいものから少しひねりが効いたものまで様々で、少し触れただけでもよく練られていることがわかるだろう。中には「そんなことできんの?」とびっくりするトリッキーな能力を持つ戦士も登場する。
もちろんそんな特殊能力中の特殊能力も干支からイメージされたもの。また戦士たちそれぞれのバックボーンもよく練られておりバトルのカギを握る。基本的にかれらの能力はメインとなる戦闘時まで明かされないので、ぜひ視聴の際は彼らに割り振られた能力をそれぞれの干支から予想しつつ、物語の中にちりばめられた西尾テイストを楽しんで欲しい。
西尾維新のテイストをふんだんに散りばめたエンタメ作品『十二大戦』
『十二大戦』はシンプルな異能力バトルものを下敷きにしつつ、原作者西尾維新のテイストをふんだんに散りばめたお祭り騒ぎ的エンタメ作品だ。また今回取り上げたのはアニメ版だが、こちらは西尾テイストそのままの原作小説と異なり、アニメならではのテンポの良さでサクサク見ることができる。まさに忙しい大人にはうってつけ。
小説版の存在は知っていてもちょっと余裕がないな・・・と感じていた人にもおすすめだ。アニメ自体は少し前の作品だがクオリティも高い。
刺激的なアニメを探している人はぜひこの機会にチャレンジしてみてはいかがだろうか?
十二大戦 (C) 西尾維新・中村 光 / 集英社・十二大戦製作委員会
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