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消えたマレーシア航空機、根強い機長ハイジャック(自決)説

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満席の北京行きボーイング777は、クアラルンプール国際空港を真夜中に離陸した。順調に航行すれば、およそ6時間後に北京首都国際空港に着陸するはずだった。

地上との交信が途絶え、機影がレーダーから消失するまで、わずか50分。やがて機体は、乗員乗客239名とともにベトナム沖の空に消えた。
「グッドナイト、マレーシア370」という言葉を残して──。

目次

航空史上最大の謎の“今”

マレーシア航空370便の失踪から、3月8日で8年になる。
「同機は消息を絶ったのちにインド洋に墜落し、239名は全員死亡した」──これが事故の翌年に発表されたマレーシア政府の公式見解である。
しかし8年が経過した今も、墜落場所や墜落原因の解明につながる鍵は見つからず、機上で何が起きたのかは謎のベールに包まれたまま。
テロ説から軍事演習の誤射説、CIAによる遠隔操作説、隕石の衝突説、はてはタイムトラベル説まで諸説は紛々、いまだ世界中のメディアが謎解きに熱するさまは、まさに航空史上最大のミステリーといえるだろう。

まずは370便の奇妙な飛行ルートからたどっていくことにする。

レーダー網を回避する不可解な航路

同便がクアランプールを発ったのは、2014年3月8日0時41分のことだった。ところが離陸して30分、早くも位置情報や運行情報を知らせるエーカーズの通信が途絶。これと前後して、冒頭の「おやすみ」というメッセージを最後に管制との交信も途絶える。ほどなくして、航空機の便名などを送信するトランスポンダーも切られた。370便からの救難信号は、もちろん出されていない。

そして機体は、クアラルンプールの管制レーダーが追跡できなくなる南シナ海上空で、なぜか左へ急旋回。予定航路を大きく外れ、北京の逆方向へ進路をとる。
当局によると、370便は出発地を発ってから7時間半ものあいだ、各地のレーダー網ををかいくぐるかのように高度を大きく変化させながら、ジグザグの軌跡を描いて飛行していたという。この不可解な航行をとらえていたのがマレーシア空軍のレーダーだった。軍用レーダーは、奇妙な飛行ルートをとる同機を途中まで捕捉していたが、やがて見失う。この時点で370便は完全に消息を絶つ。

航空機の操縦に熟達した者でなければ描けない飛行線であることは、専門家でなくとも想像がつく。警察によれば、乗客227人と客室乗務員に航空機の操縦技術をもつ者はなし。このことから、操縦していたのは運航乗務員の誰かとしか考えられなかった。
ここで、機長と副操縦士を簡単に紹介しておこう。ザハリ・アフマド・シャー機長は53歳のマレーシア人。1981年に入社し、18,365時間の飛行経験をもつ熟練した上級パイロット。同じくマレーシア人の副操縦士は27歳で、飛行時間は3,000時間に満たなかった。

日本を含む協力国による公式な捜索は、フライトレコーダーをはじめとする残骸の大部分をついに発見できないまま、2017年1月に打ち切られた。マレーシア航空370便のミステリーは、事実上、迷宮入りしたのである。

ある大国による国家的陰謀説

アジアではトップレベルの安全性を誇る航空会社との呼び声も高かったマレーシア航空。では、当事国マレーシアのメディアや国民が有力視している説は何かというと、ずばり中国の陰謀説だ。その背景には、米国に亡命中の富豪・郭文貴氏の証言がある。じつは郭氏は中国の国家公安当局出身で、これまで中国共産党の暗部を数多く告発してきた人物。

「370便の失踪は、江沢民派が実行した違法臓器移植の隠蔽工作である」by 郭文貴

証言はこう続く。
江沢民氏の息子の綿恒氏は、2004年より南京軍区の病院で腎臓移植の手術を複数回受けた。その臓器はチベット人やウイグル人らを少なくとも5人殺害して用意されたもの。一連の手術に関わった医師やその家族、さらに内情を知る高官は、殺人や違法手術が発覚するのを恐れて、ほとぼりがさめるまでマレーシアに身を潜めることにした(彼らを追って、捜査関係者が実際にマレーシア入りしている)。

ようやく母国に戻ることがかなった彼らが搭乗していたのが北京行き370便だった。つまり、違法臓器移植の事実を知る人間を抹殺するために、江沢民派がハイジャックを計画して墜落させる筋書きだったというのだ。恐ろしいことに、郭氏は黒幕も名指しで挙げている。その人物は、司法・公安・警察を掌握する大物中の大物である。

この証言があながちトンデモ話と思えないのは、郭氏の証言にかなり具体性がある点も大きいが、相手が中国という国であることも理由のひとつだろう。ところで郭さん、くれぐれも身辺警護や自宅のセキュリティには万全を期してください。

機長の自決(ジハード)説

一方で、事故直後から現在まで根強く語られているのが機長の自決説。有力な墜落原因として捜査線上にも浮上していた、いわゆるジハード説である。大まかに説明すると、以下のようになる。

340便が失踪する前日、野党のカリスマ指導者であるアンワル・イブラヒム元副首相が同性愛容疑で禁錮5年の有罪判決を受けた。ザハリ機長は熱烈なアンワル支持者であり、遠戚にあたることも事故後に判明した。アンワル氏の判決日に合わせるようにして、シフトを同僚と交代していたことも明らかになっている。

判決に失望した機長は、その数時間後にあたる8日未明のフライトで、乗員乗客を道づれに抗議の自決におよんだ。「自決」「ジハード」というと美しく聞こえるが、行為そのものは大量殺人にほかならない。
ただし渦中のアンワル氏は、「ザハリ機長は人格者である。パイロットとして、乗客を殺害するような行為は断じてしない」と、自身や機長と340便の因果関係を真っ向から否定。まあ、立場上はそうなるだろう。
ところが2020年2月、事故当時オーストラリア首相だったトニー・アボット氏がメディアに暴露する。

「詳細を話すつもりはない。だが、事故から1週間もたたないうちにマレーシア政府の最高レベルの人物から聞いたよ。『自殺でほぼ間違いない。機長による無理心中だ』とね」by トニー・アボット

この証言は、「機長によって引き起こされた事件ではない」というマレーシア政府の結論と明らかに矛盾する。政府が事件説ではなく事故説を推す背後には、なにか公にできない事情でもあるのだろうか。

マレーシア政府、真相を隠蔽か

どれほど政府が機長の関与を否定しても、ジハード説は死ななかった。
新しいところでは、「機長が自らハイジャックして海に軟着陸させた」とする説も生まれている。航空専門家たちは、インド洋などで見つかった機体の残骸に変形がないことや、発見された部品や破片がごくわずかしかないことに着目した。

通常の墜落事故では、機体は高速で急降下する。たとえそれが海上であっても、着水時の衝撃で大破してしまう。ザハリ機長は意図的に航路を変更して外洋を選び、低速でインド洋に軟着陸させて、痕跡を残さないよう機体ごと深い海に沈めたという新説だ。

370便の失踪については、以前から気になっていた点がある。同便が7時間30分ものあいだ不可解な飛行を続けていたのは先に書いたとおり。その間、不審に思う乗客はただの一人もいなかったのだろうか。誰も地上とコンタクトをとろうとしなかったのか。
これについても専門家たちはちゃんと答えを出してくれた。機長は離陸後まもなく客室を減圧し、彼らを窒息死させたというのだ。

そのあと、おそらくザハリ機長はアンワル氏の処遇をめぐって政府との交渉におよんだのではないか。インド洋に突入したのは、要求を拒否されたからとも解釈できる。これが仮に事実であれば、マレーシア政府は事件の真相を隠蔽したことになる。これでは政府もマレーシア航空も事実の公表に二の足を踏むだろう。

単なる事故か、機長の自決か、それともアジアの大国による陰謀か。
2017年には、370便の残骸を収集・調査していたマレーシアの駐マダガスカル領事が暗殺されるという事件も起きた。新たに発見した残骸を本国に送ろうとした矢先の出来事だった。
彼は真相につながる何かを発見してしまったのかもしれない。

※画像はイメージです。
featured image:WikimediaImagesによるPixabayからの画像

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