事故物件とは何だろう?

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事故物件といえば、2020年公開の映画「事故物件 恐い間取り」や、事故物件情報サイトとして知られる大島てるが各種メディアで取り上げられたことで、こういったモノに興味のない人でも一度は耳にしたことがあるだろう。

だが、「事故物件」とは具体的にどのような物件を指すのだろうか。
また、人々は何を恐れ、なぜ一部の人々はあえてそのような物件を好んで選ぶのだろうか。

不動産取引における法的な解釈と、不可解な現象の両面から事故物件について考察してみたい。

目次

事故物件とは?

「事故物件」という言葉はよく使われているが、意外にも法律上の定義は存在しない。
近年は高齢化の影響もあり、自宅で亡くなる人が増えている。そんな事情もあって、国土交通省は不動産取引における人の死について公表したガイドラインなのである。

心理的瑕疵というのは、簡単に言えば殺人や自殺など事件性のある死亡が発生し、住むのはちょっと嫌だなと感じる要因のことだ。
不動産会社には警察のような調査権限はなく、独自に調査する義務もない。売主や貸主への話を聞いたり、告知書等による情報をもとに、買主や借主へ説明を行う必要がある。

ただし、人が亡くなった物件がすべて事故物件になるわけではない。
病死や老衰などの自然死は、原則として告知の対象外だ。自宅で亡くなる人は珍しくない、それだけで心理的瑕疵として扱わないのである。
もっとも、孤独死で発見が遅れたり、遺体の腐敗が進んで特殊清掃が必要になったりした場合は話が変わる。室内の状況によっては、入居を判断するうえで重要な情報になるためだ。

よく「事故物件は3年経てば普通の物件になる」と言われるが、そんなに単純な話ではないし、「一度誰かが住めば事故物件ではなくなる」も、公的なルールとして存在しない。

賃貸の場合、自殺や他殺などについては3年がひとつの目安なのは確かだが、だからこそ後になって問題になるケースも多くあるのだ。
入居した後で近所の人から話を聞いたり、事故物件情報サイトで過去の出来事を知ったりして、不満やトラブルに発展するケースは珍しくない。
とくに大きく報道された事件は、インターネット上に情報が残り続けるため、後から判明しやすい。

心理的瑕疵は室内だけではない、例えば近隣で重大な事故が繰り返し発生していたり、暴力団事務所や墓地、ごみ処理場などがあったりする場合もなのだ。

結局のところ、事故物件とは、人が亡くなっただけではなく、何が起きたのか、事実が取引にどのような影響を与えるのかが重要になる。

結局のところ、事故物件かどうかを決めるのは、年月や入居の回数、「人が亡くなった」という事実だけではない。
その出来事を知ったとき、住む人や買う人の判断にどれだけ影響するかなのである。

人が住む理由

事故物件が敬遠される最大の理由は、この部屋で人が亡くなったという事実そのものにある。
建物や部屋の清潔感、快適さ、設備が充実していても、自殺や殺人、孤独死があったと聞かされれば、不安や抵抗感を覚えて、ほとんどの人は嫌がるはずだ。

それでも、あえてそのような物件を選ぶ人もいる。

最も大きな理由は家賃の安さだ。
事故物件は周辺相場よりも安く募集されることが多く、同じ予算でも立地や設備の良い部屋を借りられる場合がある。実際に起きるかどうかも分からない心霊現象より、日々の生活や家計の負担を優先するのは当然のことだ。

また、人が亡くなったという事実をあまり気にしない人もいる。
過去に何があったとしても、自分の生活とは関係ないと考える人にとって、事故物件であることはそれほど大きな問題ではない。

中には怪談や心霊現象に興味を持ち、自らの目で確かめたいという理由で入居する人もいる。

事故物件に住む人

そうした中で、事故物件にまつわる怪談や体験談は後を絶たない。
誰もいない部屋から足音が聞こえた、人影を見た、金縛りに遭うようになったなど、その内容はさまざま。

実際、筆者の知人にも長年事故物件で暮らしている人物がいる。
その部屋では以前から不可解な現象が噂されており、住人が変わっても似たような証言が続いているという。

ところが本人はまったく気にしていない。
それどころか、夜中に姿を見せるという存在を「緑のオジさん」と呼び、親しみを込めて接している。話によれば、その存在はいつも緑色の服を着て現れるため、自然とそう呼ぶようになったらしい。

さらに興味深いことに、大家もその噂を把握しており、一度はお祓いを検討したことがあったという。
しかし当の住人が「緑のオジさんに迷惑をかけるな」と猛反対したため、結局そのままになったそうだ。

もちろん、これが本当に心霊現象だったのかは分からず、錯覚や思い込みで説明できる可能性もあるだろう。
不気味な話だけに、わざわざ確かめに行く気にもなれないが、少なくとも知人に何か悪いことが起きたわけではない。
本人にとって緑のオジさんは恐怖の対象ではなく、すっかり日常の一部になっている。その順応力はなかなか度し難い。

事故物件とはなんなのか?

事故物件に対する印象は人によって大きく異なる。

同じ部屋を見ても、不気味な場所だと感じる人もいれば、単に家賃の安い物件と考える人もいる。

心霊現象を体験したと語る人も確かに存在するが、それらが本当に超常現象だったのか、それとも先入観や心理的な影響によるものだったのかを判断するのは難しい。事故物件だからといって必ず怪異が起きるわけではなく、まったく気にせず生活している人も珍しくないのである。

しかし現実には、どんなに条件の良い部屋であっても、「過去に自殺があった」「殺人事件が起きた」と聞かされた瞬間、その部屋に対する印象が大きく変わる人は少なくない。
これは心霊現象を信じるか否かとは別の問題だろう。
事故物件に霊が存在するという確かな証拠はない。しかし、人の死があった場所に特別な畏れを見出してしまうのは、人間の本能に近い心理なのかもしれない。

もっとも、それだけですべてを説明できるとも言い切れない。全国には複数の住人が共通した証言を残している事例や、長年にわたって奇妙な噂が絶えない物件も存在する。そこに何があるのかは分からない。

事故物件の怖さとは、部屋そのものではなく、そこに住む人が何を感じるかなのだろう。

参考:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」

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