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フランス ルイ17世の謎?

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日本では、フランス革命、マリー・アントワネットといえば、世界史で習うよりも「ベルサイユのばら」で有名じゃないかと思います。フランス国王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットは、フランス革命で裁判にかけられてギロチンで処刑されたんですよね。
で、15歳の娘マリー・テレーズと、8歳の息子ルイ・シャルルが残されたのですが、この子供たち、ほとんど知られていないけど、かなり劇的で謎のある人生を送ってるんですよ。

目次

ルイ・シャルル

ルイ・シャルルは、ルイ16世が処刑後、母マリー・アントワネットが国王として遇し、また、外国に亡命したルイ16世の弟のプロヴァンス伯が摂政を名乗り、王党派はルイ・シャルルを「ルイ17世」と承認。

ルイ・シャルル本人は、母や姉らと引き離されて、別の部屋に連れていかれて、文盲の教育係にものすごい暴力を振るわれて虐待され、酒を飲まされたり自慰を覚えさせられて、売春婦にレイプされたという悲惨な目にあいました。そして母や叔母と近親相姦があったという証言をさせられて、書類にサインまで。母マリー・アントワネットの裁判でこのことが取り上げられると、さすがに傍聴人の反感を買っただけだったみたい。

身代わり?

ルイ・シャルルはその後、2年ほど太陽光も入らず、トイレもない独房に監禁され、汚物と虫やねずみにまみれて、くる病になり、衰弱する一方とさらに悲惨な状態となりました。
で、革命政府のトップが変わったことで清潔で太陽光の当たる部屋に移されて医師の診察を受けたがすでに遅く、回復せずに死亡したということになっています。
この死亡した少年は、10歳にしては背が高く何もしゃべらなかったために、ルイ17世の身代わりで本物は誰かが逃がしたのではないかという説があるのです。

というのは、この後、フランス革命政府からナポレオンの時代になり、またブルボン王朝が復活してルイ16世の弟プロヴァンス伯がルイ18世として即位したが、全然人気がなくて、「自称ルイ17世」が30人以上もあらわれちゃったんですよ。
そのうち、ドイツの「時計職人ナウンドルフ」が、子供の頃のヴェルサイユ宮殿の生活について、ルイ17世しか知らないはずのことを話し、筆跡鑑定、体の傷なども調べたうえで、ルイ16世の司法大臣からマリー・アントワネットに仕えていた侍女まで20人くらいが、ルイ17世だと確信したというんです。

でも、姉のマリー・テレーズは、誰に進められてもナウンドルフには会わず、公式には認めていないものの、ナウンドルフの話をすると気絶したとか、弟は生きていると言ったというんですよね。

実際のところ?

21世紀になると、「ルイ17世の心臓(幽閉死した少年を解剖したときに持ち出されてアルコール漬けされたが、アルコールが飛んで石みたいになっていた)」をDNA鑑定したところ、ルイ17世のものとされ、ナウンドルフは偽物とされてしまいました。ナウンドルフには子孫がいて、この決定に納得せず、独自の調査を行っているということですが、DNA鑑定だって生きている人間の細胞以外は難しいって言いますからね。

実際のところ、同じタンプル塔の上の部屋に幽閉された姉のマリー・テレーズは、弟の死を知らされず、幽閉死した少年の確認もせず葬儀にも出ていないことや、ルイ17世にはもうひとつ、本当はルイ16世の子ではなくて、マリー・アントワネットと愛人フェルゼン伯爵との子供という説。
マリー・テレーズは、ルイ18世の弟シャルル10世の息子で従兄のアングレーム公と結婚したので、ナウンドルフを弟だと認めると叔父や夫に不利になることで認められなかったのではとか、20世紀のロシアのアナスタシア皇女の偽物とされたアンナ・アンダーソンに匹敵するような、謎が渦巻く人物ではないかと思います。

こんな感じで、歴史は教科書で習わないところに謎や異説がいっぱいあって、おもしろいんですよね。

featured image:Alexander Kucharsky, Public domain, via Wikimedia Commons

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