高校3年生の冬、同じ看護学校を受験する友人3人と、一緒のホテルに連泊することになりました。
ちょっと古いホテルで部屋はツインルーム、ホテルの人に言われた通りに二部屋に分かれて泊まることに。
私たちの部屋は、エレベーターを降りてすぐ横の角に位置していました。
宿泊したホテルは不気味
部屋は305号室、私はこの部屋に一人で宿泊する事になり、2人でも快適に過ごせる広さだったのですが、内装がうす汚れていて古いホテルならではの不気味さを感じてしまいます。
気持ち悪いと思ったのですが、多くの受験生達が泊まるので繁忙期でなかなかホテルが取れず、おまけに安かった。
「たった3日間だし贅沢はいえないよね」と同室の友人と話し合って気にしない事にしたのです。
もう一人の友人の部屋は307号室で、やはり古くて不気味な部屋。
友達も気持ち悪く思っていたので、寝る時以外はできる限り、一つの部屋に集まっていることにしました。
ホテルはちょっと気持ち悪いし、受験ですが、友人たちと一緒に過ごせるのがうれしかったのを覚えています。
浮かれすぎないようにとは思いつつも、1日目の夜は皆でお菓子を食べながら勉強して楽しく過ごし、明日の試験に備えて早めに床に就いたのでした。
最悪の結果
その日の深夜、酔っぱらった中年男性の大声で目が覚めてしまいました。
向かいの部屋は4人部屋のようで、おじさんたちが宿泊しているようです。ホテルは防音なんてほとんどしてないようで、廊下を挟んでいるのに酒盛りして、ワイワイ冗談を言い合っている大声や歌声が聞こえてきます。
すこし静かになったと思ったら、地響きのように大いびきが聞こえてくるではありませんか!
受験生専用の宿もなく、安宿なので仕方ないと思いながら「全くもう!」と我慢していたのですが、いびきは止まることなく一晩中続き、私たちはほとんど眠れませんでした。
寝不足と慣れない環境・・・、一日目の筆記試験はもう予想がつきますよね。
ぐったりしながらホテルに帰ってくると、向かいの部屋の扉が解放され清掃しています。
なんとなく清掃員のおばさんに話を聞くと、あの酔っ払いのおじさんたちは戻ってこないらしい。
これでやっと落ち着いて眠れる!と皆安堵し、疲れているので早めに寝てしまう事にしました。
聞こえてくる
23時を過ぎた頃、トントンと誰かがドアをノックする音が聞こえて目が覚め、「なんだろう?」と出てみると307号室に宿泊している友人でした。
「ねえ、なんか気持ち悪くて眠れないの。ちょっと一緒に来て。さっき部屋で寝ようとしたら、人の声が聞こえてくるの。」
眠い目をこすりながら、一緒に307号室に行ってみると特に変わった様子はありません。
耳をすましても人の声は聞こえてこないので「夢でもみたんでしょ」と部屋に戻ろうとすると、「やっぱりなんか気持ち悪い。ここで寝るの嫌だよ。」と引き止めてきます。
仕方なく、すっかり震えてしまっている友人を連れて部屋に戻り、二人で私のベッドで寝ることにしました。
その後、私は寝付けないでぼんやりしていると、また大いびきが聞こえてきていました。
そのあまりの音に部屋にいた全員の目が覚めてしまい、「またオジサンたちかよ!」と。
今回ばかりは流石にイラッとして、文句を言いに行こうと部屋から出ると、たちまちイビキが鳴り止みます。
「おかしいな?」と思って部屋に戻り、眠りにつこうとすると「イビキ」が聞こえてくるのでした。
よく耳を澄ましてみると、いびきは隣の部屋から聞こえてきます。
我慢の限界なので、備え付けの電話でフロントに文句を言ったのですが、思いもよらない返答が・・・。
「お隣の部屋(306号室)は使われてなく、倉庫になっているので、そのような事はありません。」
部屋にいた全身が凍り付くような恐怖に襲われ、一睡もすることができませんでした。
いびきの音は夜が明けるまで続いていました。
二日目の試験の事は、誰もが全く覚えていません。
とにかく一刻も早くこのホテルから立ち去りたいと、あわただしく預けた荷物を引き取って逃げるようにして帰ったのだけは覚えています。
今更ながら考えてみた
この話はインターネットなんて、全く存在すらしない頃で、地方にすむ私達にとって、ホテルの情報なんて学校の斡旋ぐらいでした。
学校には文句をいってみたのですが、笑われるだけで取り合ってくれなかったのを覚えています。
ホテルの名前を覚えてなく、土地勘がないので、改めてネットで調べる事はできませんので、真相は闇の中・・・と思っていたのですが・・・。
先日、仕事の出張で安いホテルに泊まったときの事です。
やはり同じように夜中に隣の部屋から「イビキ」が聞こえてきたのです。
そして、聞こえて着た隣の部屋は、詳しいことは解りませんが「設備室」であったのでした。
すぐにスマホでホテルの評判を調べてみると、構造の問題でなにかしらの音が聞こえてくるようで、あまり評判は良くありませんでした。
つまり、もしかすると受験の時、二日目の夜に聞こえてきたのは、単なる設備の出す音だったのかもしれません。
幽霊であってもなくても、試験の結果が恐ろしいことになったのは、言わなくてもわかりますよね。
※画像はイメージです。


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