2018年11月14日午後、滋賀県にある陸上自衛隊饗庭野演習場に隣接する国道の近くに迫撃砲弾が着弾する事故が発生しました。
この事故は、陸上自衛隊饗庭野演習場の敷地外となる国道303号線の近隣に発射された迫撃砲の砲弾が着弾したものです。この砲弾により、付近の道路脇に停まっていた乗用車の窓ガラスが割れる被害が発生しました。幸い怪我人は出ておらず、砲弾が直撃したわけではなく、飛散した砲弾の破片が飛び散ったものと推測されています。
防衛省によれば、この日饗庭野演習場において午前8時頃から、陸上自衛隊第37普通科連隊の訓練が行われたとされています。同日の午後1時15分頃に当該の81ミリ迫撃砲の射撃訓練が実施され、このときに1発の砲弾が演習場敷地外に着弾したと見えられています。
迫撃砲の訓練では2.5~3キロ先に設定された演習場内を標的にしていましたが、この砲弾は予定していた着弾点からは北側に約1km程ずれ手落下していました。
訓練は4人が1組となって実施し、監視する担当者も配置されていたものの、その場では着弾地点のズレに気付かずに、警察からの連絡を受けてそれに気付き、訓練は中止されました。陸上自衛隊では人為的な誤操作か、物理的な不具合の両面から、事故調査委員会を設けて原因の究明にあたるとしています。
この迫撃砲、調べてみると「L16 81mm 迫撃砲(L16 81mm Mortar)」のようです。元はイギリスにおいて開発された迫撃砲で、イギリス陸軍以外にも、アメリカ陸軍はM252、陸上自衛隊は81mm迫撃砲 L16の呼称で採用されています。日本では豊和工業がライセンス生産を行ったものを90年代前半から採用し、以前の64式に変わって普通科中隊の主力火力として装備されています。現在も配備が継続されており、調達価格は一門約1,000万円とされています。
※写真はイメージです。
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