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現在の日本の「同盟」とその定義及び「物品役務相互提供協定(ACSA)」

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2020年現在、日本で最も身近な同盟と言えば、「日米安全保障条約」に基づいて日本とアメリカとの間に存在する「日米同盟」を思い浮かべる方が大多数だろう。
但しこの「日米同盟」と言う言葉も、直接的な軍事同盟を想起させる状況を厭う配慮からか、1980年頃より前は条約そのものの名称を略した新旧の「日米安保」と呼ぶのが通例だった。
日本はアメリカとの「日米安全保障条約」に基づき日本国内へのアメリカ軍の駐留を承認しているが、これに付随する「日米地位協定」の内容を巡っては批判の対象ともなっている。
そもそも同盟とは、複数の国家が自国の安全保障政策の一環として、有事の際に軍事上の相互協力を条約に基づいて履行する義務を担うものと言える。

こうした同盟に近いものとして「物品役務相互提供協定(ACSA)」があり、こちらは締結国同士が武器弾薬を始め燃料・食料・医療物資などを相互に提供するものである。
これは国際連合のPKO(国連平和維持活動)や大規模な自然災害などへ対応をスムーズにすると目されており、この発効国同士は概ね「準同盟国」と見做されていると言えよう。

目次

アメリカ合衆国は現在日本の唯一の同盟国

前述の通り日本とアメリカとは「日米安全保障条約」とこれに付随する「日米地位協定」に基づいて、所謂「日米同盟」と呼称される軍事同盟関係を構築している。
第二次世界大戦後の日本にとっては世界で唯一の同盟国がアメリカとなっているが、これは先の敗戦によってアメリカのアジアの安全保障体制の中に組み込まれた結果とも言えるだろう。

日本は1945年の第二次世界大戦の敗戦によってアメリカを中心とする連合国によって武装解除させられ、続く日本国憲法の規定によって軍隊・軍事力の保有の破棄を宣言した。
しかし僅か5年後の1950年、朝鮮戦争の勃発はこの状況にアメリカ側からの変化をもたらし、その示唆で今の陸海空3自衛隊に続く組織の創設を誘導されたと見て良いだろう。

殊に近年のアメリカは自国の軍事力・コストの相対的な負担の多さに不満を露わにしており、GNP比の軍事費が約1%の日本や、約1.3%のドイツに対して2%迄の引き上げを要求してきている。
アメリカから見た「日米同盟」は、一部ではアメリカが一方的に日本を守る責務を負わされた偏った軍事同盟だとして、風当たりが強まっていることも事実であろう。
因みに日本とアメリカは1996年に「物品役務相互提供協定(ACSA)」の旧協定を発効、この点でも最も早い相手国となった。

日本の準同盟国と考えられる国々

年代順に物品役務相互提供協定(ACSA)の発効を基準として、日本の準同盟国と考えられる国々を考察していきます。

オーストラリア-2013年に「物品役務相互提供協定(ACSA)」を発効

2013年に日本とオーストラリアは同盟に次ぐ効力を持つと考えられる「物品役務相互提供協定(ACSA)」の旧協定を発効、ほぼ「準同盟国」と言うべき関係を築いている。
日本にとってアメリカに準じる「準同盟国」となったオーストラリアだが、アメリカと同様に第二次世界大戦時には直接交戦したこともある敵国だっただけに感慨深いとも感じられる。

近年のオーストラリアは前政権でも顕著であったが、中国が最大の貿易相手国であるなど、経済的には中国への傾斜を非常に強めていたことはよく知られている。
第二次世界大戦以降、インドネシア以外にこれと言った外敵の脅威を感じていなかったオーストラリアも、中国の南シナ海への強引な進出などから原点回帰しつつあるようだ。

イギリス-2017年に「物品役務相互提供協定(ACSA)」を発効

2017年に日本とイギリスは「物品役務相互提供協定(ACSA)」を1月に署名、8月に発効し、オーストラリアについで、ほぼ「準同盟国」と言うべき関係となった。
近年はF-35ライトニングⅡ戦闘機用の新型空対空ミサイルや、次世代戦闘機用のレーダーの共同開発も進めている日本とイギリスの関係を指して「新日英同盟」とも謳う向きも多い。
これはかつて1902年から1923年迄の間締結されていた軍事同盟・「日英同盟」に準えた比喩であるが、これに期待する声の大きさを表わしたものだろう。

イギリスの航空母艦「クイーン・エリザベス」は来年2021年の極東への派遣も見込まれており、日米の軍事演習に同艦も加えての実施が濃厚と考えられている。
イギリスもオーストラリア同様に、香港問題や新型コロナウィルス問題などで中国に対する警戒心を強めており、日英双方の思惑が一途したと言えるだろう。

フランス-2019年に「物品役務相互提供協定(ACSA)」を発効

2018年7月に日本とフランスは「物品役務相互提供協定(ACSA)」を署名、翌2019年6月に発効し、オートラリア・イギリスに次ぐほぼ「準同盟国」となった。
ただオーストラリアやイギリスと比して、直接的な軍事演習などの交流は少なく、また経済的・政治的な側面よりもどちらかと言えば文化面での相互交流の方が盛んな関係にある。

ドイツと共にEUを牽引するフランスではあるが、日本に与えるインパクトはさほど大きくはないのが現状とも言えよう。

カナダ-2019年に「物品役務相互提供協定(ACSA)」を発効

2018年4月に日本とカナダは「物品役務相互提供協定(ACSA)」を署名、翌2019年7月より発効し、オートラリア・イギリス・フランスに次ぐほぼ「準同盟国」となった。
フランスと同様に直接的な日本との関係性は浅く、今後の交流に動きが加速するのかに注目すべきだと言えよう。

インド-2020年9月に「物品役務相互提供協定(ACSA)」を署名

2020年9月に日本とインドは「物品役務相互提供協定(ACSA)」を署名しており、今後12月に行われる日印の首脳会議で締結・発効に至ると考えられている。
インドは2020年現在で中国に次ぐ人口を擁する大国ではあるが、これまで軍事兵器の分野では旧ソ連や現ロシアからの調達を多く行うなど、所謂西側諸国ではない位置づけと言えた。
しかし1992年から軍事演習「マラバール」をインド・日本・アメリカの3国は既に年1回実施しており、2020年はこれにオーストラリアを招待することが発表されている。

従来インドは「マラバール」にオーストラリアを参加させることは、徒に中国を刺激しかねないと慎重だったが、2020年5月のカシミール州ラダックでの中国との対立で姿勢を変えた模様だ。
アメリカは日本・インド・オーストラリア4国による中国包囲網・「クアッド同盟」を念頭に置いているとも言われ、今後のインドの動きが注視されている。

まとめ

以上が現在の日本においての日本の「同盟」とその定義及び「物品役務相互提供協定(ACSA)」による、準同盟国とされる国々である。

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