アドルフ・ヒトラー生存説

1945年4月30日、第二次世界大戦の敗戦濃厚となったときに、ずっと愛人だったが直前に正式結婚したエヴァ・ブラウンとともに自殺したと言われるアドルフ・ヒトラーには、生存説が絶えません。
これは、イタリアのムッソリーニが愛人とともに処刑された上に、逆さ吊りにされた生々しいフィルムがあるのと違って、ヒトラーが自殺したという証人がたったひとりで、遺体の写真がないためなんですね。

ちなみに目撃証言によれば、ヒトラーはベルリンのナチス本部、総統官邸の真下にあった地下壕の住居で、青酸カリを飲んだうえに拳銃自殺し、遺体は地下壕から運ばれてガソリンで焼いて埋められたというのが定説です。
それでこの前、ヒストリーチャンネルで、1993年にロシアのモスクワの政府の保管所で発見された、ヒトラーがベルリンで拳銃自殺した証拠の品々や、目撃証言などを検証する2009年制作のアメリカの番組を放送していたんです。

アメリカの考古学者がロシアに行って、渋る政府の保管所と交渉して、証拠を1時間だけ調べる許可をもらって(こういうもったいぶった手法って、日本の番組だけじゃないんですね)、ヒトラーの部屋にあったという血の付いたソファの切れ端や、ヒトラーのものと言われる、銃弾が貫通した頭蓋骨の一部、残された調査報告書などを検証し、綿棒で血痕を採取して、保存の悪い頭蓋骨のかけらをアメリカに持ち帰りました。

また、ナレーターが、すでに破壊されて埋められた地下壕の後へ行き、設計図などで地下壕を再現して目撃証言が正しいか検証。
それに当時27歳だった元ヒトラーの護衛部隊の兵士(番組制作当時は90歳越え)による、唯一のヒトラーの拳銃自殺の目撃証言も検証。

合間に、スターリンが7月のポツダム会談でヒトラーがスペインかアルゼンチンに逃亡したと話したとか、FBIは1956年までヒトラーを探していたとか、1944年7月にヒトラー暗殺計画が未遂に終わったあと、側近が替え玉を使ってヒトラー本人を公の場に出さなかった話が盛り込まれていました。
なお、そのヒトラーの替え玉は、4月30日に側近に殺害されて埋められたのをソヴィエト兵が発見、ヒトラーと勘違いして遺体を写真などに残したが、身長がヒトラーより5㎝低くて耳の形が違うことが判明しているそうです。

そして唯一の目撃証言者は、ヒトラーが自殺したとき、銃声が聞こえたと言ったり聞こえなかったと言ったり、証言を変えているということですが、ナレーターが地下壕の跡に降りて行くと、壊されたはずなのにまだ使える大掛かりな発電機が残っているし、地上への脱出口もあったので、ヒトラーも脱出できたろうとほのめかし、発電機などの大きな音が聞こえなかったので防音設備バッチリだったのに、ヒトラーが自殺したときの銃声が聞こえたはずがないと目撃証言は信頼性なしと断定。

番組ラストでは、数分でばたばたと、古い血痕や骨はDNA鑑定のサンプル採取が難しいと言いつつ、ソファの血は男性の血と判明(アメリカ在住のヒトラーの甥とかにはサンプル提供を拒否されたので、ヒトラーの血かどうかはわからず)、そしてなんとヒトラーのものとされた頭蓋骨はもっと若い、それも女性のものということが判明したのです。
「色々なことがわかりましたが、まだ調べることが山ほどあります」で番組は終了。

おいおい、ちょっと物足りじゃないかとネット検索で調べたら、ヒトラーは側近にもらった青酸カリの効果を、愛犬(それも母犬と子犬)で試したということにわんこ好きの私は怒りがわきました。
が、愛犬と愛人と替え玉を殺して身代わりにして自分は逃げても、なんも不思議じゃないような気もしましたです。

eyecatch source:不明Unknown author, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由

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