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熊本の心霊スポット「赤田池」体験談

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熊本県荒尾市のはずれに、赤田池という名の池が存在する。池の中心には小さな島があり、崖にかかった鉄製の赤い橋を渡れば島へ渡ることができる。

わたしが幼いころは桜の名所やデートスポットとして賑わい、島に設置された乗り場からボートに乗り込んで遊ぶ家族連れやカップルを見掛けた。正月や桜のシーズンには、ビニールシートで酒盛りに興じる老若男女で占拠されていた。周囲には結婚式場とレストラン、それにラブホテルもあった。

そのような賑わいはどういうわけか、90年代の終わり頃には廃れてしまっていた。ボート乗り場が設置された島は、一軒の廃墟を残し草木で覆われ、周囲のレストランやラブホテルも同様に廃墟となっていた。橋を渡って、そこにあるのは自然に還った小島だけだ。

目次

赤田池へ

とはいえ池にはブラックバスがいて、釣り場として近所では有名だ。釣り好きの弟はバスを目当てに、わたしを後部座席に乗せて大型バイクで赤田池を目指した。
真夏の昼間、弟はブラックバスのかかる「ポイント」を探しては竿を投げる行為を繰り返していた。わたしといえば、CDプレイヤーから再生されるUKロックを聴きながら、幼少期に訪れた赤田池の思い出に浸っていた。

すると弟が突然、怒気を孕んだ大声で呼んだ。なんなんだと聞き返すわたしに、「髪を掴んで思い切り後ろへ引っ張っただろう!」と激怒している。
わたしと弟は、背を向けて3メートルほどの距離があった。「この場所から髪なんか引っ張れるわけがないだろう}と、ムキになって言い返すと、ふと弟の足元の岸に接した水面に何かが浮かんでいた。
それは動いて岸に立つ弟の足元へ近づいてくる・・・クサガメか?

「おい、なんかカメみたいなのが足のところにおるぞ!」
そう弟に怒鳴り返すと、弟は足元を見ていきなり「帰るぞぉ!」とそれまで以上の大声で叫んだ。

なにかを見た

自動車が絶え間なく通過する道路に戻ると、弟は理由を話した。
足元の水辺に女の顔が空を見上げるようにして浮かんで、目がそこら中を探るように動いていた。
「あいつは人間じゃなかぞ!」

警察沙汰も面倒だが、まさか生きた女性が池に浮かんでいたなどとは考えられない。とにかく「幽霊」であると断定した為、必死になって帰宅したのだ。

地元図書館で新聞の縮刷版や郷土資料を当たってみたが、事件が起きた記事はない。赤田池には横穴式石室古墳が沈んでいるのだが、そのような女性に関する事は遺跡調査の記録には無いようだ。
だいたい熊本県は遺跡や古墳が多く、その大半は水田や分譲地の風景に溶け込んでいる。その「幽霊」が「沈んだ古墳」から現れたのだとしたら、そのような古墳の傍で生活している住人はみな、心霊現象その他に悩まされなければならない。

結論からすれば

錯視、思い込み、記憶の改変、つまり認知バイアスである。
わたしは「幽霊」など見ていない・・・ただ弟の足元に近づく何かが見えた気がしただけだ。

じゃあ試してみろ!GOProでも持って深夜の赤田池に行って、なにも起きないのか確かめて記録してこい!
そう言われると返す言葉がない・・・だって、深夜に照明ひとつない鉄製の赤い橋を渡り、無人島へ上陸して帰ってくるなど御免被る。
万が一、なにかあったら嫌じゃないか。

※画像はイメージです。

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