小学生だった私は友人3人と放課後時間終了のチャイムが鳴ってもまだ教室に残って、ギリギリまで話し込んでいました。
そろそろ帰ろう・・・
そろそろ帰ろうと思っても既に学校の正門は閉まっていて、裏門からしか校外へでられません。普段使う正門は階段を下りてすぐなのですが、裏門からだと給食室の前を通って運動場に出て、第二校舎を横切って行かなければならないのです。
給食室の入り口はガラス戸となっていて、ちょうど第二校舎と運動場が映ります。自業自得とはいえ先生に見つかったら叱られてしまいます。
給食室のそばまできて、なんとなく気配を感じ給食室の窓をチラリとみると、第二校舎から運動場を通っている女の子が見えました。
まだ帰っていない子いたんだなと少し安心しますが、まあいずれにしましても、先生に見つかったら怒られることでしょう。
私達は一列になって運動場や辺りを見回しながら、こそこそと裏門へ向かい、運良く先生に会わず裏門までたどりついて学校から出られたのです。
あの子はどうしたかな?
帰り道、私は友人たちに「あの第二校舎から出てきた女の子も無事に脱出できたかな?」と話すと3人は口を揃えて、「え?何言ってるの?そんな子誰もいなかったよ?」と。
そして1人が「第二校舎なんて今の時間は誰も使っていないはずだよ?幽霊でもみたんじゃない!」と茶化してきたのですが・・・。
よくよく考えるとそのとおりだし、正門が閉まっているので第二校舎から運動場を歩くコースは取らないないはずです。
そのことに気づいた瞬間一気に青ざめると友人たちも空気を読んだのか無言となり、私が「幽霊だったのかな?」とぽそっとつぶやいた瞬間、みんな怖くなって悲鳴を上げて逃げるように走って帰宅していったのでした。
あの子は実在していた子なのか・・・そうでないのかは解りません?
でも私はその子の姿をはっきりと覚えています。
※画像はイメージです。
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短編なのに面白い!