こんにちは、いば・よしあきです。今回は、日本の誇るSF漫画家である士郎正宗先生のデビュー作『アップルシード』(APPLESEED)を御紹介したいと思います。
さて、その前に、士郎正宗先生について簡単の御説明とご紹介をしたいと思います。
士郎正宗先生とは
士郎正宗先生は、実力派の作家でもある星野之宣御大などを輩出した漫画サークルに所属し、後の日本SF漫画の中で新しい表現を造り出す事に成功します。

(C) アップルシード(APPLESEED)士郎正宗 コミックガイア 青心社
それは・・・いわゆる電脳世界を舞台にしたサイバーパンクの世界観、つまり「攻殻機動隊」などの、インターネットにおけるサイボーグの在り方に着目し、それまでにあったSF作品の定番でもあった、宇宙などを題材にした世界観ではなく、地球の近未来の、核戦争で荒廃した世界ではなく、文明が高度に進んだサイバネンス技術が確立し、電子機器の発達した世界で活躍する、SF漫画の基礎を作ったとも言われています。
今回は、そんなSF作品の御大でもある士郎正宗先生のデビュー作となった『アップルシード』(APPLESEED)を紹介したいと思います。
世界観
物語の舞台となるのは、核兵器が失われ、化学兵器や生物兵器などが大量に使用される戦争となった第5次非核大戦後の荒廃した世界を舞台としており、人の居なくなってしまった、荒廃した街中で生きる女兵士デュナン・ナッツと、相棒でもあり恋人でもあるサイボーグのブリアレオスを主人公に、物語は始まります。

(C) アップルシード(APPLESEED)士郎正宗 コミックガイア 青心社
22世紀を迎えた2125年に勃発した第5次世界大戦は、決定的な勝利者を出す事はなく終戦を迎えていましたが、多くの兵士は戦争が終わった事を知らず、いまだに争いの火種が残っており、デュナンとブリアレオスは、廃墟の街を転々としながら、安住の地を求めて旅をしていたのです。
ストーリー
2127年。ひょんなことで知り合ってしまった美少女ヒトミが、二人の運命を変えてしまいます。
彼女は第4次世界大戦後に北大西洋に密かに建設が進められていた人工島オリュンポスの総合管理局・立法院のエージェントだったのです。

(C) アップルシード(APPLESEED)士郎正宗 コミックガイア 青心社
勝利者なき戦争終結後、世界は人工島オリュンポスが主導権を握り、総合管理局が台頭していた事を知り、終戦とオリュンポスの住人として暮らす事を進められた二人は、総合管理局内務省部隊である「ESWAT」に所属する事になり、対テロ作戦に関わっていく事となります。
でもそれは、楽園と信じた世界の裏側で蠢く、巨大な計画、旧大国の策謀がひしめき合っていた争乱への挑戦でもあったのです……。
血気盛んな凄腕の兵士でもある美女デュナン・ナッツと、彼女の相棒でもあり恋人であるブリアレオス・ヘカトンケイレスの二人を主人公に、荒廃した世界に凛然と反映する楽園である人工島オリュンポスを舞台に、二人が様々な政治的な思想と陰謀に衝突し、楽園である居場所を守る為に戦う、SFサイバーアクション漫画な今作。
連載された当時
これが連載していた当時(1985年~89年)においては、斬新的かつ革新的な未来世界の設定が話題を呼びました。
それまでのSF作品と言えば、荒廃した世界など、核戦争で文明が滅亡した世界観が支流でした。

(C) アップルシード(APPLESEED)士郎正宗 コミックガイア 青心社
文明が失われ、野生的な強さが求められた世界観の作品が多い中で、本作では、最終戦争後において、文明の粋を集めて創り出された楽園の様な社会であるオリュンポスと、それを取り巻く、かつての超大国の政治的陰謀など、人々の思想の衝突などがテーマに、ディストピアと化した社会を題材に物語が進んでいきます。
荒廃した社会を生き抜いていたデュナンとブリアレオス。
二人が生き抜いていた荒野や戦場とは違い、人間が人間らしく生きられる楽園であるオリュンポスで、二人が互いに信頼し、創られた楽園であろうとも、それを守り抜こうとする、原始的な本能に従い、人間性を持って、人工の楽園で生き抜いていく展開が、アクションなどの折り合いと混ざり合いながら、作品を面白く演出しています。
作品について
原作の漫画は 1985年2月から、青心社 コミックガイアで連載し、89年4月に連載を中断し、士郎正宗先生本人が凍結を宣言します。
連載途中の1988年4月にOVAが発売されます。
その後、映画版として「APPLESEED 2004」が2004年4月、「EX MACHINA」が2007年10月に劇場公開されました。
2011年6月には、新シリーズ「アップルシード XIII」全13話がネット配信され、劇場リミックス版が2011年6月に公開されました。
2014年7月に「アップルシード α(Appleseed Alpha)」が欧米を中心に公開され、2015年1月に劇場版として日本でも公開されました。
「アップルシード アルファ」本予告 – youtube
ライター業を生業とし、早幾年になったミリタリー好きな筆者です。
ミリタリー系のアニメも好きで、SF作品もミリタリー色に強いのが好きで、原稿もそんな感じの内容でお送りします。
(C) アップルシード(APPLESEED)士郎正宗 コミックガイア 青心社
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