現在でも最高の狙撃銃のひとつとして必ず名が挙がる「AWM」とは

狙撃銃・スナイパーライフルの分野で優れた銃を挙げる場合に、必ずと言って良いほどその名を耳にするのが、イギリス・アキュラシー・インターナショナル社製の「AWM」だろう。
こうした評価を反映してか人気ゲームの世界でもその名声は反映されており、『PUBG』や『荒野行動』と言ったタイトルの中では最強・最高の性能を持つ狙撃銃として扱われている。

「AWM」自体は1980年代に開発された狙撃銃ではあるが、その機構はほぼ第二次世界大戦時まで各国の小銃の標準であったボルト・アクション式を採用しており温故知新と言った趣がある。
と言うのもアキュラシー・インターナショナル社は、2度のオリンピック射撃競技で金メダルを獲得したマルコム・クーパーが創設した企業であり、競技用の精密射撃向けの銃器開発に端を発している。
そこを原点にスタートしたアキュラシー・インターナショナル社の狙撃銃は、類い希な命中精度と信頼性の高さから軍隊から警察まで広い範囲で支持を得て現在の名声を獲得してきた。

アキュラシー・インターナショナル社の狙撃銃の特徴

アキュラシー・インターナショナル社の狙撃銃が成功を収めた要因のひとつに、デザイン上の特徴でもある穴あきタイプの銃床とピストル・グリップの採用が挙げられる。
これは従来型のボルト・アクション式の狙撃銃が木製の曲銃床であることに対し、見た目のモダンさに加え、内部の軽量にして丈夫なアルミフレームにより非常に堅牢で高い命中精度を両立させた。

もう一点の特徴が高精度な狙撃銃にも関わらず、その銃身を交換する事が比較的容易に行える設計が行われている点であり、専用ツールと万力が用意できれば5分足らずで行う事が可能となっている。
これら2つの利点が先ず、PM(プレシジョン・マークスマン若しくはプロジェティブ・マガジン)ライフルとして製品化され、後の「AWM」に続く最大の特徴とセールスポイントになったと言えるだろう。

L96A1
■L96A1Mr Bullitt, Public domain, via Wikimedia Commons

イギリス軍狙撃銃として正式採用された「L96A1」とその発展・進化

アキュラシー・インターナショナル社のPMライフルは、1984年にイギリス軍が実施した正式狙撃銃選定の為のトライアルを勝ち抜き、見事「L96A1」として同軍に採用されるに至った。
「L96A1」はより具体的にはPMライフルを発展・進化させた狙撃銃であり、薬室を中心とした機関部を軍用の強力な弾薬に耐えうるように対策を施したモデルである。
その後更にPMライフルは、スウェーデン軍の狙撃銃トライアルに対応した改良が行われ、そこで要求された寒冷地での使用にも適応したモデルへと進化し「AW(極地戦闘用)」の名が与えられた。

こうして生み出された「AW」ライフルは、警察・法執行機関向けにブラックのカラーリングが施されたP(ポリス)型や、減音機付きのS(サプレッスド)型、50口径弾仕様の50型などが追加される。
そしてその中のひとつが強装弾であるマグマム弾に対応したモデルであり、これがM(マグナム)型で「AWM」として広く世に知られるボルト・アクション式狙撃銃の代名詞となったのだ。

「AWM」のバリエーションと現在

「AWM」は一口に使用弾薬がマグナム弾であるとは言え、そのマグナム弾自体が「300ウィンチェスター・マグナム弾」や「338ラプア・マグナム弾」など複数のバージョンが製造された。
前者の「300ウィンチェスター・マグナム弾」仕様の「AWM」は、ドイツ連邦軍が「G22」の名称で正式狙撃銃として採用していることでも知られている。

後者の「338ラプア・マグナム弾」仕様の「AWM」は、本家とも言えるイギリス軍がこちらも「L115A1」の名称を与えて制式採用しており、信頼性の高さがここからも窺えると言えるだろう。
但しアキュラシー・インターナショナル社は2005年に一度倒産をしてしまい、現在は元の従業員達により再建されたが、それを機に「AW」というモデル名称を変更した。

以後、警察・法執行機関向けを「AE」、「300ウィンチェスター・マグナム弾」などの仕様を「AW」、50口径弾仕様を「AW50」へと統合を行った。
ただ2015年以降には、これらのモデルも新型の「AX」シリーズのリリースにより製造が中止され、かつての警察・法執行機関向けの「AE」のみが「AT」シリーズとして継続されている。

via: PUBLIC DOMAIN/dvidshub.net

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