幼い頃、庭にきた野良猫を撫でていると祖母が話をしてきました。
「猫ってね、いじめると死んでも覚えていて、必ず恨みをはらすんだよね。」
可愛い野良猫
おばあちゃんの働いていた旅館では、野良猫がなついて可愛く、毎日旅館の残飯をあげていた。
子猫もたくさん産まれ、旅館の床下に家族で住めるように小さなお部屋を作り、毎日仕事帰りに覗くことが楽しみだったそうなのです。
その頃、新しい従業員が入り、それはそれはとても感じのいい人だったけど、一つだけ気になることがあった。
それは虫やヤモリを見かけるとすぐに殺すことで、害虫だからそうなのだろうと思ってそれほど気にせず、とても親切な人なので親しくしていました。
子猫はどこに?
あるとき、いつものように猫のお部屋を覗いたら、子猫が一ぴきいなくなっていたのです。
猫の母親も鳴きながら探していて、おばちゃんも一緒になってあたりを探してみたのですが結局見つからず、諦めて帰ったのでした。
翌朝、旅館に出勤すると、どこからか今まで嗅いだことのない焦げた臭い、どちらかといえば異臭が立ち込めていたのです。匂いの元を辿ってみると、その新しい従業員のお部屋からのようで、窓から覗いてみると子猫の死体を石炭ストーブで焼いていたのが見えた。
びっくりして問い詰めたら「朝起きたら、外に死体が落ちていたので、可哀想で火葬したんだ』と。
その時は、野良犬もいる地域だからやられたかと思って納得したのですが、1匹、また1匹といなくなっていった。
新しい従業員が怪しい
いくらなんでも変だと思ったおばあちゃんは、猫のお部屋が見える旅館の部屋を借りて、夜寝ずに見張ることにしました。
夜も更けた頃、案の定、新しい従業員がやってきた。なにをするのかと様子を伺うと、部屋から出てきた子猫を捕まえて鷲掴みにして首を折ったのです。
子猫の声にならない断末魔の悲鳴、母猫が尋常じゃない鳴き声を今でも忘れらない。
おばあちゃんは怖くなって、すぐさま夜警の担当者に事情を話すと、その方も怪しいと思っていたようですぐに警察へ連絡してくれました。
それからというもの、新しい従業員は旅館を追い出されるように辞めていったようです。
めでたしめでたし・・・
これでめでたしめでたし・・・とはいきませんでした。
信じられないような話なのですが、おばあちゃんは旅館からの帰宅途中に後ろから近づいてきた車の後ろの座席に強引に押し込まれてしまったのです。つまり拉致、誘拐されてしまった・・・。
その車に運転していたのは新しい従業員で、怯えるおばあちゃんに『最後に良い景色を見せてあげるよ』と山道を山の奥へ奥へと走らせます。
もうダメだとおもった瞬間、車がなにかにスリップして大きな木に正面からぶつかったようで、しばらくの間、気絶していました。
段々と意識が戻って我に返るとおばあさんは無事だったのですが、運転席にいた新しい従業員は木の枝とハンドルに頭を挟まれ、まるで彼が子猫にしたように首が折れていた。
おばあちゃんが言うには猫をいじめて殺してしまうと、どんな手を使ってでも必ず仕返しをしてくるそうなのです。
※画像はイメージです。
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