共和政ローマの末期、賽を投げた男カエサルが決戦に挑もうとしていました。
カエサルの相手は当時最高の名将ポンペイウス。ポンペイウスはスッラのもとで武勲を重ねた武人です。
特に、地中海の海賊討伐の成功は彼の名声をいやがおうにも高めました。
当時のポンペイウスは元老院と親しい関係にありました。
そのため、かつては手を組んでいたカエサルと敵対していたのです。
元老院はカエサルに軍を解散して帰国するよう命令を出しますが、カエサルはこれを無視します。
いわゆる、ルビコン越えです。

■ カエサル胸像
Andrew Bossi [CC BY-SA 2.5], via Wikimedia Commons
イタリアでの迎撃は無理と判断したポンペイウスは対岸のギリシアで迎撃の準備を整えます。
当時のローマ帝国は東ほど経済力があり、資金と兵士を集めるのが有利でした。
ポンペイウスには西のヒスパニア(スペイン)に移動して彼の軍団と合流する手段もありましたが東の経済力を取りました。
カエサルはイタリアにとどまっているとポンペイウスに東西から挟み撃ちにされる危険があります。
すぐさま軍を西へと振り向けました。
ポンペイウスがいないヒスパニアのポンペイウス軍と戦い、これを滅ぼします。
こうして挟み撃ちの危険を回避しました。

■ グナエウス・ポンペイウス胸像
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返す刀でカエサルはギリシアに上陸しました。
ファルサロスで戦う前、ポンペイウスの本拠地ドゥラキウムを包囲します。
ポンペイウスはカエサルとの決戦に応じず消耗を待ちました。
それどころか、カエサル軍の弱点をついて包囲網を突き崩しました。
カエサルは平原地帯のファルサロスに布陣します。
ドゥラキウムの勝利で勢いがついたポンペイウス軍は長期戦に持ち込みたい主将の思惑から離れ短期決戦の意見が強まります。
ついにポンペイウスはファルサロスに向けて軍を動かしました。
数に有意なポンペイウスは川を利用してカエサルを包囲しようとはかります。
優勢な騎兵がカエサル軍騎兵を蹴散らして、背後に回り込もうとした瞬間。
カエサル軍の最精鋭部隊が騎兵の前に立ちはだかりました。
彼らは馬の突進をものともせずに、ポンペイウス騎兵の頭を槍で突きます。
突進を止めてしまうと、騎兵の優位はあっという間に減ってしまい無力化します。
カエサルの隠し玉にしてやられたポンペイウス軍は、包囲するつもりが反対に包囲されてしまいました。
敗れたポンペイウスはエジプトに逃れますが、エジプト王の部下たちによって暗殺されます。
これにより内戦はカエサルの勝利で確定したのです。
※写真はイメージです。
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