ガンアクション漫画といえば現代をや近未来を舞台にした漫画が多いですよね。ですが90年代初頭に、西部開拓時代を描いた漫画があったことはご存じですか?
今回は、西部劇ガンアクション漫画の傑作ベル☆スタア強盗団を紹介したいと思います。
ベル☆スタア強盗団とは
ベル☆スタア強盗団は1990年代初頭に漫画家、伊藤明宏先生により書かれた西部劇ガンアクション漫画です。
西部開拓時代に実在した無法者ベル・スターがどうして伝説になったかを描いた作品となっています。
初版の理由から複数の出版社により発売されいますが、現在は、小学館にて再編集されたものが販売され、電子書籍版も販売されているため、手軽に読むことができるようになりました。
あらすじ
舞台は南北戦争終結後のアメリカ。マイラ・ベル・シャーリィは、強盗事件に巻き込まれた挙句2000ドルの賞金首となってします。ケガを負ったベルは倒れる直前にスタア兄妹に命を助けられましたが、彼らも自分たちの住む土地を銀行や鉄道会社に狙われている身でした。
サム兄妹は土地を守るため借金を背負わされた挙句に、鉄道会社の刺客によって土地を焼き払われてしまいます。
失意のベルとスタア兄妹のもと、敵対しているはずの銀行屋から情報と提案がもたらされます。「3日後に銀行から現金が運び出される」こと、そして「南部戦線の英雄マイラ・ベル・シャーリィがいるなら現金を奪い取れる」
行き場を失くし、あらぬ疑いで賞金首にされ、忘れたい過去をほじくり返された彼女は激高し、高らかに宣言します。
「なってやるわよ!無法者にでもなんにでも!マイラ・ベル・シャーリィの名前を誰にも忘れられない名前にしてやるわ!!」
スタア一家、保安官、騎兵隊、無法者たちによる未曾有の大乱戦が始まろうとしていたのでした。
この作品の見どころ
伊藤明宏先生といえば、「ジオ・ブリーダーズ」「ワイルダネス」が有名かと思われます。しかし、かわいい女の娘たちに振り回される男たち、軽快なセリフ回しと飛び交う弾丸、名作アクション映画のオマージュなど、後の作品に繋がる部分が垣間見えます。
主人公ベルは可愛らしく元気で喜怒哀楽が激しいキャラクターです。過去のトラウマから銃を抜くことを嫌っていましたが、覚悟を決めてからは生き延びるためにガンマンとしての才能を発揮する、伊藤明宏先生らしいキャラクターに仕上がっています。
本作品は西部開拓時代が舞台なため、登場する重火器はもちろんリボルバー式拳銃とライフルがメイン。
マイラ・ベルが使うコルトM1851ネイビーを初め、コルト・ドラグーンなどのパーカッション式リボルバーがほとんどですが、S&Wモデル3など 金属薬莢式のリボルバーも登場しており、金属薬莢方式のリボルバーに移り変わる過渡期である事を示しているのは流石は伊藤明宏先生といったところ。
終盤の敵味方入り乱れた現金輸送列車の強奪の場面や、ベルと保安官カーボの決闘シーンは往年の西部劇映画のオマージュもふんだんに取り入れられ、見どころ満載。
最後まで読めば「伝説の目撃者」になった気分になること間違いなしです!
(C) ベル☆スタア強盗団 伊藤明弘 サンデーGXコミックス 小学館
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