TOP GUNが大ヒットして数年、1990年に航空自衛隊が初めて大々的に映画撮影に協力するということになり製作された映画「BEST GUY」。主演が当時人気沸騰中の織田裕二、そしてヒロインが財前直見と大変豪華な布陣となりました。
北海道、航空自衛隊千歳基地に赴任した梶谷(織田裕二)はF-15を操縦するイーグルドライバーでした。

(C) 1990 BESTGUY 東映・ウィングスジャパン・東北新社
そこには、かつて梶谷の兄が殉職した墜落事故にかかわっていた上官の吉永(古尾谷正人)や、防衛大主席という名高(長森雅人)らがおり、確執を抱えながらも訓練を続ける毎日だったのです。
そんなとき、彼らの前に現れたのがビデオディレクターの水野美雪(財前直見)でした。
彼女はカナダのアーティスト・シェリーのプロモーションビデオにF-15の迫力ある映像を使いたい、と申し出て千歳に乗り込んできたのです。

(C) 1990 BESTGUY 東映・ウィングスジャパン・東北新社
型破りな撮影を繰り広げて持て余される美雪と、周囲に虚勢とも思われがちな言動、そして粗削りなフライトで浮いてしまっていた梶谷はなんとなく意気投合し、その距離を近づけていくのです。
そんな中で、千歳のイーグルドライバーたちの技量の向上を目指して、”BEST GUY”を決める競技会を開催することになりました。
梶谷は『そんなものには興味がない』とうそぶく梶谷ではありましたが、その本心は吉永に見抜かれていました。

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かつて吉永とともに飛び、兄だけが亡くなったという事故の謎、そして恨みに似た気持ちを吉永に抱えていた梶谷は、素直に周囲と交わることが出来ずにいたのです。
___と、こんな物語だったのですが。
今となっては信じられないほど、当時の防衛庁は閉鎖的な世界で、広報というものは殆ど重要視されることがなく。
『航空自衛隊がメインの映画など、製作できるはずがない』という空気で一杯だったところ、東映が満を持して企画を立て、バブル絶頂期の三井物産が後援という贅沢な布陣で臨んだ作品でした。

(C) 1990 BESTGUY 東映・ウィングスジャパン・東北新社
惜しむらくは、ロシアの航空機の領空侵犯のシーンのCGがチープだった、ということでしょうか。
政治的な問題もあって、当時は実写の映像が使用できず、そしてあまりあからさまにそういった部分を作中で描くことも難しかったのだとか。
それでも、基地内の撮影は緻密に行われていましたし、カメラを積んで実際にフライトとしたF-15のコクピットからの映像や、空戦シーンは当時素晴らしいものでした。

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新しいドラマでまた露出が増えてきた織田裕二さんの不器用で、しかし熱くてカッコイイ姿が見られる稀有な作品です。
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