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初めてのツーリングで思わぬ体験・・・嘘だろ?!

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都内から車で1時間半ほどの山々に囲まれた小さな田舎町で育ち、念願だったバイクの免許を取った私。
思い切って遠出をしてみることにしました。

目次

半日かけてツーリング

高校を卒業した夏、自慢の愛車を思い切り走らせたくて、地元の小さい町を飛び出しツーリング。
もともと大勢とつるむのは苦手、気ままにバイクを走らせることが好きだった私は、目的地を決めぬまま出発しました。

午前中からうだるような暑さで風を切っていても汗ばみ、その暑さは夜になっても変わらず、涼しい風を求めて海へ向かうことに。小田原を抜けて熱海の街に入り、小高い山へ続く坂道を上っていくと駐車場を見つけたので、休憩することにしました。

午前1時を回っていて、周りが暗くてはっきり見えなかったのですが車が1~2台停まっていた。この先に自殺の名所と言われている錦ヶ浦がある事を思い出し、怖いもの見たさで来ているのだと思った私は、なにも気に留めなかったのです。

こんな夜中に?

せっかくここまで来たんだし海を見ようと歩き出すと、何やら人だかりが見えてきます。静かに海を見たかったのでがっかりしましたが行ってみることにしました。
先客は若いカップル、男同士、女同士の仲間たち、老夫婦など、ざっと20人くらいはいて、こんな夜中でも怖いもの見たさで錦ヶ浦にみんな来るんだと一人つぶやき近づいていきます。

「ここからでは助からないよね」
「これは怖いよ」
「飛び降りたら即死だね」
周りの人達の会話を耳にしながら、人のすき間を見つけて崖下をのぞき込みむと暗闇が広がり、白い波がかすかに見えるだけでした。

今は厳重に柵を設けてありますが、当時の錦ヶ浦には大掛かりな柵などはなく、80メートルはあるという断崖絶壁をのぞき込むことができたのです。

違和感

人の多さと騒がしさに少しがっかりしながら、左右を見回すと何かがおかしい。
みんな思い思いに話している人たちになぜか存在感が無いように思え、隣りで一人で海を見ている男性に「どこから来たのですか?」と話しかけると途端にいなくなったのです。

他の人達もなに透けているような、数員いるグループは何人か重なりあっているような・・・。
「もしかして・・・」

ここにいてはまずい!と直感的に感じ、不安と恐怖に襲われ後ずさりしながら一目散に駐車場へ走り、震える手でバイクのエンジンをかけて、無我夢中にその場から離れました。

もし留まっていたら

もし違和感に気が付かず、あのまま留まっていたら、私も引きずり込まれていたかも知れません。
後から考えれば、あの時間はバスも走っていないし、駐車場に停まっていた車と、そこにいた人数が合わないのですが、その時は気付きもしませんでした。

飛び降りたであろう人達なのでしょうか?それともなにかあそこに因縁があるのでしょうか?
いずれにしても声を聞いてしまった私は、その後何度か錦ヶ浦を通過しましたが、二度と立ち寄っていません。

※画像はイメージです。

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