兵站(ロジスティクス)という言葉をご存知でしょうか?
目次
兵站とは
兵站とは補給線と言い換えてもよい言葉です。後方の物資の供給ちから部隊のいる前線まで物資を送る仕組みや輸送経路を指すと考えてもよいでしょう。
孫子に書かれているように、戦争は国力の大きな部分を傾ける大事業です。動員される人々、すなわち兵力だけではなく、消費される物資も大量のものとなります。その補給計画といってもよいでしょう
食糧確保の重要性
秦王朝の末期、大陸を二分して争ったのが項羽と劉邦です。戦術面においては項羽は連戦連勝です。劉邦は何度も項羽によって追い回され、逃げ回ります。しかし、彼はある一つのことだけは常に気にかけていました。それが食料です。戦いに敗れて兵が散り散りになっても、劉邦のところに行けば食べ物がある。
この安心感によって彼の軍は何度もよみがえりました。決戦の終盤、広武山というところで項羽と劉邦が向かい合います。
谷を隔てた二つの山という地形は双方ともに同じ条件ですが、劉邦は秦王朝時代に作られた食糧庫の上に陣取ります。このため、攻めているはずの項羽軍が食糧難に陥ってしまいます。その後の戦いに勝利した劉邦は漢王朝を築きます。まさに、兵を養うことで建てた王朝といってもよいでしょう。
日本における兵站のプロ
日本は国土が狭いこともあり、兵站を重視しない傾向が強いのですが、緻密な計算によりそれを成し遂げた人物がいます。
それが石田三成です。彼は秀吉の天下統一のしめくくりである小田原城の包囲戦で圧倒的な物量を整え、北条方の戦意を喪失させます。この時の成功がよくなかったのでしょうか、秀吉は朝鮮半島に出兵します。
朝鮮の水軍提督である李舜臣は陸戦での不利を補うため日本側の海上輸送を徹底的にたたきます。これにより補給が途絶した日本軍は撤退せざるを得なくなります。兵站とは戦争全体の帰趨を決定する最重要要素なのです。
※写真はイメージです。
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