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C市T町の森の廃屋に伝わる噂

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C市某所T町に森という場所がある。私はそのSの森に隣接したM小学校に通っていた。
森や田畑に囲まれた、のどかというか田舎臭いと言った言葉の方がしっくりくる場所だ。

5年生の時にM小学校に転入してきたのだが、クラス、いや学校全体である噂話のようなものがあるのを知った。
それはSの森に関するものだった。

目次

噂話はこうだ

Sの森は学校の裏手にある鳥居を抜け、神社の境内の奥から始まるのだが、けもの道のようなものがあってその先に一件の朽ちた家があり、そこに「ばくろ兄弟」という名の3人の兄弟が住んでいる。
三人は上の2人が男で下が女。いつもみすぼらしい身なりをしているそうだ。

3人ともいわゆる軽度の・・・いや現在ではタブーなのでご想像にお任せしよう。
彼らは普段はおとなしいのだそうだが、なぜか「ばくろ」という言葉には異常に反応するらしい。
小学生達は面白がって「ばくろ兄弟」の家の前まで行き「バクロー!!」と大声で叫び、怒り狂った兄弟が家から出てくると逃げるという遊びをしていたとの事だ。

そんなある日、何人かのグループが暇つぶしにばくろ兄弟をからかいに行った。
「バクロ!」そう叫ぶと案の定兄弟達が出てきて、みんな逃げたのだが1人が逃げ遅れて、バクロ兄弟の1人に捕まり食われてしまったという何とも言えない噂である。
子供時代の私はこの話を聞いて震え上がったのを覚えている。

帰省したとき

久々に実家に帰省する機会があり、私はその噂話について検証する事にした。

久々に訪れたT町はすっかり変わって、田畑は無くなり新興住宅地へと変わっていた。
しかし変わっていない物もあった。かつて通った小学校とS神社。その奥に広がる陰鬱なSの森だ。

私は近隣に聞き取りを行う事にしたのだが、ここ数年の間に住み始めた住民が多く大した情報は得られなかった。
聞き取りは諦めるかとした時、かなり年季の入った渋い家が目に入ったので訪ねてみる事にした。

インターホンを押すと年配の女性が出てきたので、バクロ兄弟の噂話について調べていると伝えた。
女性はその話は知らないが、S神社には子供を生贄にするという言い伝えがあるらしい。
数年前まで行われていた祭りでも子供の人形を祭壇に供える・・・という儀式が行われていたそうだ。

お礼をし、帰ろうとした時に女性が思い出したように言った。
「そういえばいたわ・・いなくなっちゃった子。学校の帰りにいなくなっちゃったのよ。」
子供の失踪はどうやら真実らしい。

バクロ兄弟の家へ

その後私は、実在しているかもわからないバクロ兄弟の家に向かう事にした。
S神社の境内の奥、確かにけもの道が奥に続いている。

昼間でも薄暗く躊躇したが進む事にした。カラスの鳴き声や野良猫だろうか?時たまガサガサと音がする。
5分程進むと朽ち果てた家が見えてきた。何年くらいここにあるのか、窓ガラスも割れ家全体が傾いている。

迷ったがせっかくここまで来たので、勇気を振り絞り叫んでみた。
「バクロ!」
静まり返っていた・・・くだらない。そう思い戻ろうとした時だ。
なんだか建物から人の視線を感じ、なんとなく危険を感じた筆者は急いで森を出る事にした。

結論

結論としては、神社にまつわる言い伝えや廃屋の存在と行方不明の子供。
これらが組み合わさりバクロ兄弟伝説が生まれたと考えられる。

ただ筆者には腑に落ちない点がある・・・あの日訪れた廃墟での不気味な視線。
あれは何だったのか?
もしかしたら今でもバクロ兄弟はあの廃屋にいるのかもしれない。

※画像はイメージです。

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