30年前ぐらい前、お盆休みで地元に帰京した時に遭遇した体験です。
私の地元は関西で、有名な市街地から少し離れた田舎町になります。地場産業が盛んな土地柄、いろいろな人物がいて個性的な人も多かったような気がします。
久しぶりにあった友人との話
お盆で久しぶりに長い休みが取れたので地元へ帰りノンビリしてたとき、高校時代の友人から「久しぶりに飲みに行かないか？」と連絡がきました。
夜7時ごろに友人の家へ行き、飲みながら懐かしい話に花が咲いていたなか、なんでその話題になったのかは覚えていませんが・・・。
「OOのおっさんおるだろ。あの人自殺したんだ・・・」
「山の墓地がある幼稚園で焼身自殺して、そのとき火事になって、もう無いんだ」
山の墓地は、市街地から少し離れた山の斜面にあって、段々畑のように墓が並んでいる墓地。
その近くには幼稚園があって、地元の子供ならだいたい卒業した思い出の場所なのです。
OOのおっさんは幼稚園で用務員をしていて、面白くて世話焼きで先生よりも園児たちから人気がありました。
私は懐かしい場所がなくなったのと同時におっさんの笑顔が脳裏に浮かび上がり、ショックで涙が止まらなくなり、お酒が入っていた事もあって変にテンションがあがり、弔いにと酒瓶片手に山の墓地へ車で向かったのです。
余談ですが当時は緩い時代で、罰則はあったものの飲酒運転なんて皆やっていました。
跡地へ
到着したのは夜10時過ぎでぐらい、昼間と違い墓が並んでいる光景は不気味。
車から降りて墓地を抜けて、幼稚園へ向かいます。
そこには空き缶に花が供えられてあり、今でもお参りに来る人がいるんだと、おっさんの人柄の良さを改めて実感。
二人で泣きながら酒でも飲んで下さいと空き缶に酒をついで、その辺りをブラブラ探索しながら思い出話を語り、気が済んだ頃に車へ戻りました。
帰りの車の中でカーステレオをかけようとテープを押しこむと、人気グループの曲が急に大音量で流れて来ます。
「ボォーン ウォーン」
音量の大きさにビックリし慌ててスイッチを切り、音楽は止まったものですが、電源を入れていないなずなのに・・・
「ガァー ウアァー ウオオオー」
と男の叫び声のような物が聞こえて来るのです！
おっさんの声？
私たちは驚いて、車を道路の脇に止めて外へと逃げ出しました。
「何なんだ？うめき声？自殺したおっさんの声？」
恐る恐る車に戻る私と友人。
再びカーステレオをかけてみると、今度は正常に音楽が流れて来ました。
今思い出しても、不思議な体験です。
※画像はイメージです。
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