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ヨーロッパの廃城の見学体験談

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20年以上前、ドイツに留学していたことがあります。
まだ西、東ドイツというワードが完全に抜け切れていない頃でもあり興味深い国であり、私の住んでいる地域はそこそこ人が多い都市でしたが、一つ向こうの駅に行けば周りは何もなく、人生初めての地平線を見るような環境でした。

私は第二次世界大戦の歴史に興味があり、あるとき戦争時に拠点の一つに使用されていたという城跡があるという話を聞き見学する事にしました。そこはドイツ領の城で砲撃でぐちゃぐちゃらしく、かろうじて外観はある程度保っているという状況らしのです。

目次

危ない城

早速その城がある街に電車で向かい、駅を降りて道を聞きました。
すると駅の人に「あそこに行くのは危ないわよ!」といわれ、なぜかと聞くと「お化けより怖いものがでるのよ、女性はだめ!」と・・・。何のことやらと思ったのですが、要は浮浪者が多くいるから。
確かにそれはまずいなと思いました。ちょうど私が旅行していた時は、女性の日本人観光客が一人でうろうろしていると拉致されて、売られてしまうなんていう噂が流行っている時代だったのです。
とりあえずその時は遠目から場所だけ確認して、後日誰かと一緒に行くことにしました。

再度訪れて

そして後日、ついてきてくれるボディーガード代わりのドイツ人男性を確保し、再チャレンジ。
城の近くまで寄ってみると壁には沢山の現代アートが施され不気味というか、すでに危な感じです。
周辺は草が生えているぐらいで何もなく、戦争で壊されたのか荒らされたのか分からないぐらい荒廃しています。

外からでは誰がいるかわからないし、駅の人の話から察して犯罪拠点になっていても怖いので外周を回るだけで帰える事にしましたが、案の定、中は危ない人たちがたむろしていたようで私たちの存在に気がついたようです。数人の男性が現れ、付添の彼と口論になりました。
ドイツ語は普通でも怒っているようで怖い感じがするのですが、怒鳴りつけている彼の言葉の響きに恐怖を感じながら様子を見守っていると、どうやら上手く丸め込めたようで中から現れた男たちはすごすごと退散していきます。
とても早口聞き慣れない言葉だったので、どうやって撃退したのか彼に効いたのですが教えてくれませんでした。

ともかくこれい以上いるのはトラブルの元、そそくさと退散したものです。

ドイツの廃城

今思い出してみての感想ですが、私がいた当時は、沢山の廃城が残っていました。
特にドイツは東と西に別れていたことなどもあり、土地の所有が複雑になっているのか土地のトラブルは多く、その関係で残っていて、歴史的な意味では残されていないようです。

それから十年以上たって再度ドイツ国に来たら、殆どが消え去り新しい建物が建っていました。
古い騎士が出てきそうなきれいなお城が整備される傍ら、そういったお城は「無駄なもの」として荒れ果てて消えいくのだろうなと少しさみしく思うのでした。

※画像はイメージです。

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