戦場の銃撃戦において歩兵の守りとなり攻撃ともなる支援火器こと軽機関銃・・・
その存在は無数の弾幕により敵を釘付けにし、共に戦う味方を助け、心強い火力を持って敵を掃討。
のちの戦場を一変させ、軽機関銃から重機関銃と分けられ、汎用機関銃であるMG34の登場と、分隊支援火器のミニミ軽機関銃と、その歴史を刻み、戦場の主力兵器として輝きました。
でもその歴史において、第一次世界大戦に登場し、フランスによって開発された軽機関銃が存在している事を御存じでしょうか?
その名も・・・ショーシャ軽機関銃!
正式名称は「FM・MIE1915 軽機関銃」
フランス軍のルイ・ショーシャ大佐によって設計され、生産性と量産性を主体に開発され、歩兵一人が軽々と持ち運びできる機関銃として、世に発表されました。
後の戦場を大きく変える、主力たる兵器となる筈・・・でした!
でもこの機関銃は、世紀の傑作兵器とはならず、世紀の不良品こと欠陥銃火器として名を遺す事となってしまうのです・・
まずこの銃の開発のコンセプトに問題がありました。
このショーシャ軽機関銃は生産性と量産性を確保するために、当時においてはまだ未発達な新技術であるプレス加工が多用されてしまった事にあったのです。
プレス加工ゆえに、連射射撃に対しての耐久性や、また射撃における衝撃に対する衝撃吸収能力が皆無に等しく、部品の欠落が激しく、また故障や損傷などが続出し、機関銃なのに連射が出来ないと、射撃に気を使わなければいけない問題点。
でも、それもさることながら、この機関銃には最も注目すべき問題点があったのです!
それは・・・この機関銃の独特な半円形の弾倉にありました
歩兵が一人で持ち運びできる機関銃のコンセプトの下、弾倉を装備する事で、その問題点を解決しましたが、後の世に見ることのない、その半円形の弾倉にこそ、この銃の最大の欠点があったのです。
もしこの弾倉が箱型の弾倉であれば、歴史は変わっていたのかもしれません。
さて・・・まずこの弾倉は、非常に壊れやすい事で有名でした。
落下の衝撃には弱いのが当たり前。
残りの装弾数が解りやすくする為に、装填された弾丸を確認しやすい様に穴をあけた仕様と、不良品に拍車をかけてしまいます。
装填時にも壊れてしまい、装弾時にもゆっくりと装弾しなければ壊れてしまうと、筋金入りな故障仕様な弾倉であり、これを使い兵士は細心の注意を払わなければいけない程に、あまりも繊細な機関銃だったのです。
20発弾倉にも関わらず、20発を装填してしまえば故障してしまうと、あまりにもデリケートな機関銃で、熱にも弱く、連射で撃ってしまえば銃身が曲がってしまう等の問題点もありました。
これには生産性の為に安く加工しやすい素材が選ばれた事が挙げられます
また量産性を上げる為に、プレス加工に重点を置き過ぎてしまい、重要な部品部分を溶接などの処置をせず、耐久性を度外視してしまった結果、この軽機関銃は不良品として名を遺す事となってしまいます。
あくまでも大量生産だけが取り柄ゆえに、その数は実に250,000丁も生産されてしまったのです。
アメリカに7,000丁も送ってしまいますが、あまりにも不良品だった為に、不評を買ってしまいます。
世界中で失敗作として扱われ、鹵獲されもしない見向きもされないと、戦場で無視されてしまった軽機関銃……
唯一の活躍した場所は、ゲームの世界である「バトルフィールド1」の中だけと、現実ではなく、架空の世界でしか活躍できなかった悲運の兵器。
バトルフィールド1をプレイしている方は、一度使ってあげてください。
icon image: 作者 不明 [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由
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