私の父は私が中学にあがったばかりの頃、体調を崩したのをキッカケに入院することとなりました。
目次
父の病状
その時の診断は症状から、恐らく十二指腸の病気で手術すれば治るという事だったのですが、いざ開腹するとその裏側の膵臓に癌が見つかったのです。
膵臓癌は初期で見つけることが難しく、発見される頃には末期になっていることが多く、例にもれず父も余命三ヶ月と宣告されたのでした。
大きな病院へ転院し三ヶ月経って一時帰宅したのですが、その日の夕方頃、突然危篤状態に陥り病院へ逆戻り。
私達家族も共に病院へ向かい、一夜を過ごす事になりました。
明けて翌日、容態も少し落ち着いたので病室には母だけが残り、お昼に叔父が私と兄弟を地下の食堂へ連れていってくれたとき、不思議なことが起こったのです。
それは突然
病室のある階から地下の食堂へのエレベーターに乗り込み、扉が閉まった途端、私は突然強烈な腹痛に襲われたのです。
それはお腹を下したとか、お腹が空きすぎて痛いというレベルではなく、本当に今まで感じたことのない痛みでした。
あまりの痛さと日汗がとまらず、立っていく事が出来なくなり、うずくまってしまうと、私の様子に慌てた叔父は「とりあえず戻ろう」と父の病室のある階のボタンを押したのです。
エレベーターが階へ着くとあれだけ強烈だった痛みは嘘の様に収まり、病室へ戻ると丁度、父が息を引き取りました。
父がなくなり慌ただしいのですが、尋常ではない状況だった事もあって、念のためにお医者さんに調べてもらったのですが、何処も異常がありませんでした。
父はとても寂しがりな人だったので、もしかすると私達に看取ってもらいたくて、起こしてくれたものだったのかもしれません。
※画像はイメージです。
この記事は面白かったですか?
思った事を何でも!ネガティブOK!