まったく幽霊の実在について信じない人も多いわけですが、1976年に秩父で起きた貯水槽殺人事件は、世間に幽霊の実在性を知らしめるものでした。
おばけが出る?
秩父の山間部の道路で、1976年から幽霊の噂が出始めます。その道路は荒川の近くの斜面を登る坂道で、永福寺というお寺があるだけで、住宅も少なく寂れていました。
ある日、その坂道を1台のタクシーが通った時のことです。運転手は道端にうずくまる女性を見かけ、声をかけました。するとその女性の顔はドロドロに溶けていて、運転手は慌てて逃げ帰りました。
そんなふうに「顔が溶けている幽霊を見た」という近隣住人は、1977年の秋にかけて続出したのでした。その幽霊は、ぶつぶつと何かをつぶやいていたと言われています。12月1日になると、道端には「おばけが出る」とチョークで書かれた石が現れるようになりました。しかし何故か毎日石が置かれている場所が違っているという、怪奇現象も起こるようになったのです。
それから1週間後の12月7日、地元の消防団の人が、おばけが出るの石のそばにあった防火用貯水槽を訪れました。点検するためにフタを開けると、中から腐臭が漂ってきます。中を調べると水に遺体が浮かんでいるのを発見、地元では大騒ぎとなったのでした。
幽霊となり告げた
遺体を引き上げてみると女性で、顔はドロドロに腐敗していました。不思議だったのは顔の状態や衣服の特徴も含めて、全てが地元の幽霊の目撃情報とぴったり同じだったことです。
検視をした結果、行方不明となっていたYさんという女性であると判明、しかも彼女は妊娠をしている状態でした。この貯水槽は1年に1度点検がされているために、Yさんの遺体が遺棄されたのは前年の1976年の11月であるとわかりました。それはちょうど幽霊の目撃情報が出始めた頃です。
当時の毎日新聞埼玉版では、この事件を1面で取り上げています。タイトルは「幽霊のウワサ」とあり「女性の無惨死体発見の秩父、腐乱、顔もわからず」などとあって、女性の幽霊が出ていたことまで記事にしていました。
そして捜査が進むと、Yさんの恋人だった男が見つかり、事情を聞くとあっさり犯行を認め、遺体発見からわずか3日で事件解決となったのです。
この秩父貯水槽事件は顔が溶けた幽霊の目撃が相次ぎ、しかもその幽霊と全く同じ姿の遺体が見つかり、新聞記事にもなっています。
幽霊はいる?!
人は死後に霊魂が抜けて、生前の怨念により成仏できずにこの世に留まり、生前の意識を有しながら衣服を着た姿の幽霊として現れ、自らの遺体の場所を多くの人に伝えていたということになります。
幽霊の存在を証明する上では、きわめて貴重な出来事だったと言えるのではないでしょうか?
少しは幽霊の実在を、信じる気になってきましたか?
※画像はイメージです。
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