この作品、「最終兵器彼女」は、小学館のビッグコミックスピリッツに2000年1月から21年10月まで連作された、高橋しん氏の作品で、2002年にテレビアニメとして放送しました。
あらすじは、北海道の小樽をモデルにした街に住んでいる主人公のシュウジ、思いを寄せていたヒロインのちせは実は自衛隊に改造された兵器で、押し寄せる敵と戦うという・・・まあ・・・設定からして人を選ぶ作品です。
なにがすごいのか
単刀直入に北海道に住むちせという女子高生が、軍に改造されて最終兵器になって世界中の軍隊と闘うという設定がすごい。
最初はちせの右腕がガトリングガンになり、背中から翼が生えてマッハ2で戦闘機と闘う程度だったのですが、最終回になると北海道小樽市の空一面を覆う巨大な兵器になり、人間ではなく完全に兵器となってしまいます。
これは通常兵器と異なって、人間の部分である成長というファクターで、兵器としても成長するからとか無茶な設定。
その破壊力は漫画で言えば第5巻(全7巻)のあたりでは仙台市を一瞬にして灰燼に帰すほどの威力で、作中「ちせの灯」と言われていますが、おそらくは核兵器だと思われます。
いろいろ考察
このアニメ、漫画を見た人が必ず言うのが「この作品にツッコミをいれるのは無駄」というもの。
ですがあえて考察してみると、「ちせ」という生身の人間を改造するとはどういうことか?
それは「サイボーグ009」のような機械的なサイボーグ手術ではなく、作中で軍の人がちせに薬を渡すシーンがあり、「ちせ」によると「薬で完全に兵器になるのを抑えている」と。つまり体を変質化させる薬品とナノマシンを投与したのではないかと思われます。
体から鋼鉄の翼を生やし、ミサイルが体から出るシーンなどもありますが、他方で生物的な柔らかさをもった触手なども出てきます。また最終巻では腕がポロリと落ちてしまいますが、そのシーンではチップ状の破片が落ちていることから、細胞単位で体を変質させていると思うのです。
それゆえ、右腕のガトリングガンやミサイル、さらには翼も実際は鋼鉄製ではないのではないかと考えています。
例えばカルシウムを硬質化させた物が考えられ、その発射に使われる炸薬は人間の身体にある炭酸の部分を用いて、現実の兵器と同様の威力を持たせているのではないかと考えます。
「致死性のガス」も使用することから、体の内部に貯蔵庫的なものを作ってるともいえますが、147センチ程の小さな体のどこに収めているのかは謎です。1つの考察として、この世界では物質転送の技術があり、ちせと軍の基地の物資倉庫がリンクして、戦闘の時にのみ武器を取り出す・・・という設定も考えられます。
最後にお勧め
お勧めシーンはアニメ1話、ちせが恋人のシュウジの前で自分が最終兵器になった姿を見られたシーンです。
バックに流れる「地球の果て」という音楽、その激しさが「このアニメはどんな名作になるのだろう?」という期待をもたせてくれます。
このアニメを嫌う人もこのシーンだけは口をそろえてほめちぎる名シーンです。
(C) 高橋しん/小学館・東映ビデオ・東北新社・CBCテレビ
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