幼いころに母親を亡くし、まるで犬のように育てられたダニー、そんな彼の良い理解者となった盲目の男性との交流を描いた作品「ダニー・ザ・ドッグ」
「ダニー・ザ・ドッグ」は5歳の時にボブ・ホスキンス演じるバ-トという男に預けられ、犬のような生活を強いられ続けたジェット・リーの演じるダニーが、あるとき盲目の中年男性に出会ったことで人生が一変していく映画です。
序盤は借金の取り立てのためにバートに首輪をつけられ、アンダーグラウンドの格闘場で金を稼ぐ姿が描かれています。本当にバートによるダニーの扱いが粗悪すぎて、観ているのが嫌になりそうでした。
終盤になってダニーが無事救われ本当に良い映画だと感じました。
自分のこころさえも閉ざして、感情を表に出さなかったダニーがサムとピアノによる交流を続けてきたことによって、だんだんと人間らしい感情が芽生えていく様子がとても魅力的です。
おそらく私が見た映画の中で、一番の名作といっていい作品ではないかと感じます。
バートは作中でダニーの母親を銃殺した上にダニーを犬のように育て、挙句の果てにはダニーの格闘術をいいように使い金づるにしているという、徹底した悪役として描いたことでよりサムの人間性の良さを強調させているように感じます。
この作品は一見ダニーが主人公ではありますが、個人的にはモーガン・フリーマン演じるサムのほうが主人公のように感じました。
終盤にダニーがバートに誘惑されて殺人者に堕ちそうになった時に、鉢植えでバートを殴り倒したのはとてもすっきりしました。
あの時もしもサムが介入してくれなかったとしたなら、ダニーはふたたびバートの操り人形になっていたでしょう。
バートは失神しただけで死んでしまったわけではなかったというのもよかったと思います。またジェット・リー演じるダニーが最後の最後に一粒の涙を流すのは、映画ファンのみならず見てほしいです。
普段こういった作品を見ないという人にこそ見てほしい作品です。
映画『ダニー・ザ・ドッグ』 日本版予告編 – youtube
(C)2005 Danny The Dog EuropaCorp QianYang International RoguePictures TF1 Films
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