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いったい誰がかけてきている?

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慣れない仕事を始めるとどうしても緊張が伴います。
そこに仕事以外の緊張が加わるような出来事が起きてしまったら、みなさんはどうしますか?
これは、私のいとこから聞いた話です。

目次

鳴り響く電話

彼の職業は警察官で、今から10数年前に交番勤務から四月の配置換えで警察署内の勤務に変わった年のことでした。
警察署内の仕事は基本日勤なのですが、月一度程度当直が、初めての当直を迎えた日のこと。
大きな事件や災害がない限りは、指定された場所で待機する勤務だけで、その日も何事もなく深夜になったそうです。

特にやることがないので、昼間にやりきれなかった仕事をしていたとき、電話が鳴り響きます。
少し驚きながら電話機の方に目をやると点滅するランプとコール音で、それが内線電話だと気づくと、その場にいた全員が硬直しました。

なぜならば、起きている署員はその場に全員いるのです。
仮眠室で仮眠をしている方もいましたが、そこには電話は無く、仮眠室から他の場所へ移動するには、この部屋を通らなければならず、仮眠室からは誰も出ていないことは明らかでした。
つまり、この内線を掛ける人間はこの署内にはいないはずなのです。

そして内線をかけている場所を示すランプは遺体安置室。
当然その時間は使われておらず、誰もいないはずだし、その日はご遺体も安置されていない。

数コール鳴ったのちに先輩署員が立ち上がり、受話器と取って、そのまま切りました。
「たまにこういうことあるんだよ。気にすんな」
そう言って先輩は書類の作成の続きに取り掛かり、そう言われては何も言えず、署員たちはそれぞれの仕事に戻りました。

何度もなる電話

数十分後、再び電話が鳴り、先ほどと同じ安置室からの内線。
またも先輩が電話を取り、無言で受話器を置きました。

それから数分置きに安置所からの何度も電話が鳴り響き、皆がイライラしはじます。
いっそ電話のケーブルを抜いてしまおうかと思ったそうですが、いつ緊急連絡が入るかわからないので、そんな事はできません。

何度目かわからないコール、すると何度も電話を取っていた先輩が電話に出たのです。
「うるせええええ!こっちは仕事中なんだよ!イタズラしていいと思ってんのか!いい加減にしろ!」
そう怒鳴り散らすと乱暴に受話器を置き、その場にいた署員はあっけに取られました。

「何回もしつけーときにはこうやって怒鳴っときゃいいから」
「はあ・・・・」
「着任の時期になるとこうやってイタズラしてくるんだよ。からかってるつもりなのかね?」
カラカラと笑いながら先輩はそう言ったそうです。

それ以降電話は鳴らず、いとこは当直の勤務を終えたそうです。

後で知ったこと

この時の当直以外、こういった現象に遭遇したことはなかったそうですが、この警察署では有名は怪異?らしく、その度に皆が同じ対応をしているそうです。

ただしその時々で鳴る回数は違い、一度で終わる事もあれば、彼が経験したように何度もかけてくることもあるらしく、それが今でも続いているという話があるそうなのです。
この警察署はもうすぐ建て替えをする予定なので、新しい建物になったらなくなるかもね・・・とも言っていました。

※画像はイメージです。

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