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私が話していたのは誰?

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私は自他共に認める不幸体質で何かと不運に見舞われます。そのお話を記事にしてみなさんに恐怖体験を提供できたら幸いです。
これは、私が中学生の頃の修学旅行のお話。

目次

温泉に行こう

同室の友人とホテルに着いてすぐに温泉へ向かおうとしましたが、私たちの部屋のタオルが1枚足りないことに気づいたのです。仕方なく隣の部屋のA子とB子にタオルが余っていないか聞きにいくと、2人は自室の浴槽にお湯を張っていました。

「あれ?温泉に行かないの?」と私が聞くと
「私、部活で足怪我しちゃって階段使えないの。このホテルってエレベーター1つしかないででしょ?温泉に行くには1つ下の階まで行って別館まで行かなきゃいけないし、遠くて移動が面倒だから部屋のお風呂で済ませることにしたの。」とB子は答えます。
「私もB子行かないし、部屋のお風呂で済ませようと思うの。あ、私たちの部屋タオル1枚余っているから持っていっていいよ!」とA子がタオルを渡してくれました。

「そっかー、残念だね。でも部屋のお風呂も結構広くて良かったね!タオルありがとう!」と私はタオルを受け取り、同室の友人と温泉へ向かったのです。

翌日

次の日の朝、朝食会場へ行くとA子とB子、そして私たちの1つ下の階に泊まっていた友人C子とD子が揉めていました。

なんだか酷い状況だったので、止めるつもりもあって声をかけたのですが・・・。
C子は少し苛立ったように「私とD子が昨日温泉から部屋へ戻る途中、エレベーター付近でB子を見かけて、ちょっとだけ話しをしたの。でも『昨日会ったよね?』って聞いてもB子は『2人に会ってないよ?』って嘘をついてくる!」と。

どっちかが嘘をついている?でも、B子もC子もそういう嘘をつくような人ではないし・・・と疑問に思いつつ、どんな話しをしたのかC子に聞きました。
C子は「B子を見かけたから『今から温泉?』って声かけたの、そしたら『そう、でも忘れ物したから取りに戻るの。』って言われたの!」と半分怒ったように言ったのです。

その言葉に私は驚きました。私がA子とB子の部屋を訪れた時、確かに2人は部屋で浴槽にお湯を張って自室のお風呂に入る準備をしていたからです。そのB子がなぜ温泉に行こうとしていたのか。

疑問

続けて私はC子に聞きました。
「B子はその後どこに向かったか覚えてる?」
「え?なんか奥の階段のほうに向かっていったけど」

・・・お気づきでしょうか?
B子は怪我をしていて階段を登ることができないため、自分の部屋に戻るにはエレベーターを使う必要がありました。しかし、C子とD子の見たB子は近くにエレベーターがあるにもかかわらず奥の階段へと向かっていったのです。
その事実に気づいた時、5人とも一気に顔が青ざめました。

そして、D子がぼそっと呟きました。
「私たちが話していたあれは、誰だったの…?」
大人になった今でも時々この話を思い出して5人で話しますが、結局真相はわからないままです。

追記

これは修学旅行から帰ってきた後に親しい先輩から聞いた話ですが、過去にそのホテルに宿泊していた客が近くの池で転落して亡くなってしまったことがあるらしく、それ以来何度か怪奇現象が起こる噂があったそうです。

先輩方がホテルに泊まった時には何も起こらなかったそうで、単なる噂かと思い信じなかったそうですが、私の話を聞いて「やっぱり何かあるのかもね。」と言っていました。

※画像はイメージです。

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