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暗闇にうごめく影見つめる目

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これは誰も信じてくれないのですが、学生の時に実際に体験した本当の話です。

ある日、暇を持て余していた私たちの友人グループ、今となっては理由は解りませんが心霊や幽霊の話で盛り上がり、そのノリで市内で有名な心霊スポットの霊園に肝試しに行くことになったのでした。

目次

霊園いっちゃう??

そんな調子で到着したのは5000基ほどの規模の大規模な霊園。夜でも明るいほどに街灯が設置され、手入れされたお墓が立ち並んでいて墓石の名前やお供え物も細部まで見える。なぜここが心霊スポットなのか?と思うほどで、肝試しとは程遠い雰囲気でした。

私たちはおしゃべりしながら墓地を抜けていき、階段の踊り場のような場所で腰をおろし、それぞれに感想を話しはじめると、「全く怖くなかったな」とか「他の場所に行く?」など、案の定、皆の意見は「拍子抜け」で一致です。

しかし私の心の奥底には、墓石の陰から誰かが覗き込んでいたり、後ろから誰かがついてきているのではないか?という恐怖心があったのですが、友人たちの前では恥ずかしくてとてもとても・・・。

有言実行

階段上の街灯の横にしゃがんで、踊り場を照らす真上の街灯を見上げながら、今となっては何かを感じたのかもしれません。

突然、私の口から「この街灯が消えたら怖くないかな?」と言葉が出ました。
その瞬間、これまで眩しいほどに光っていた街灯が、スイッチを切ったようにパッと消えたんです。

消えたのは1つだけではなく、霊園中の街灯全てが一斉に。
暗闇に包まれ一瞬にして雰囲気に変わってしまった・・・不気味な墓地。
友人たちは驚き「うわー!」と叫びだす。
私はしゃがんでいたため、足が痺れてしまい立ち上がれない。

そんなのお構いなしに蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
ようやく腰を上げた頃には誰一人として見当たらず、真っ暗闇のなかに置き去りになったのです。

うごめく影

だんだん暗闇に慣れてきて、薄っすらと見えてくる墓石の群れ。
感じていた後ろから誰か覗き込んでいないかという不安が鮮明に頭の中を巡る。
「見てはいけない、見ないようにしなきゃ」と思うほど、なぜか暗闇の中にある墓石を見つめてしまう。

「いあるわけない、いあるわけない」と少し見渡し、いざその場をさろうと体を左に向けた時、視界の隅に何かあるように感じたんです。というか、何かいる、誰かいると察したと言ったほうが良いのかも知れません。

恐る恐ると顔をゆっくり向けて目を凝らすと、墓石の後ろの暗闇に何かがいるのがはっきり分かった。
その何かは暗くて見えないのですが、強いて言うなら暗闇にうごめく影、墓石の影から確実に私を捕らえている。

顔は黒目が小さく視点が定まっていないような虚ろな目。口は広角が上がり少し微笑んでいるよう。
普通では決して発せられないような、かすかな笑い声が聞こえる。

怖さから足がすくみその場から動けなくなり、声も出せない。
その影は徐々に顔から胴体を現して、こちらにゆっくりと近づいてくるのですが、ただただその影を見ている事しかできない。

もう1つの影

徐々に迫りくる影、その影に呼応するかのように、幾つもの墓石の後ろから別の影が現れ初め、どれも私に向かってくる。
最初の影は、あと数歩で手が届く範囲まで近づいて来ている。
本能的とでもいうのでしょうか?
触られたら命は無い・・・もうだめだと半分諦めた・・・。

その時でした幾つもの影の中に、どことなく見覚えがあると感じられるモノがあった?いた?のです。
男性の姿をした影の顔は・・・父方のおじのように見える。
確かに彼は亡くなってからこの墓地で眠っています。

おじに似た影は迫ってくる影との間に移動し、こちらを向いて静かな笑みを浮かべたように見えました。
その瞬間、足が動くようになり、友人がいる方向へ走り出しました。

誰も覚えてない

友人たちの姿が見え、安堵とともに駆け寄ると「どこに行ってたんだよ!」と笑いながら話けてくる。
「街灯が消えた後さ・・・・大変だったんだよ」と今体験したことを話し始めると、
「えっ?街灯?消えてないよ」「何言ってんだよ」と、少し驚きながらも全くそんな事は無かったと言うのです。

彼らの話では、つまらないから他へ移動しようと駐車場へ向かう最中に私がいなくなり、たぶんトイレにでもいったのだろうと思って待っていたそうなのです。
私の体感では数時間は経過したと思うのですが、実際は10分も経っていない?

皆は「作り話で怖がらせなくてもいいよ」なんて言われ、誰も信じてくれなかったのでした。

あれから

あれから20年以上が経って、就職し結婚して子供もできて、すっかり忘れていたのですが・・・。
ここ最近、墓石から覗く顔の場面が夢にでてくるんです。それに夜間、不意に背後に気配を感じることも増えています。

帰宅路の途中の暗がりから、自宅ではキッチンの冷蔵庫の陰・・・全ての暗がりから何かが私を見つめているように感じるんです。
もしかしたらあれから20年以上ずっと、見つめ続けられているのかもしれません。

あの墓地での体験は私の妄想・・・信じてくれてといいませんが、実際に経験したことなんです。
自分しか覚えていないということ自体も、私にとって怖いことなのですが、あのうごめく影がなんだったのか、おじに似た男性は本当は誰だったのか、未だに解明できていません。

その霊園は今もあるので、肝試しに行ったらまた同じようなことが起こるかも知れませんが、もしかしたらと思うと恐ろしくてそんな事は出来るわけがないです。

※画像はイメージです。

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