「鹿は、刺さるよ」というおじさんの言葉

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夫が自転車大好き人間です。今では一人でいろいろな所にツーリングに出かけますが、子供が小さかった頃には家族で都内や長野の山、北海道など、様々なところを走ってきました。

これは、長野の山の中のツーリングイベントで経験したことです。

初夏の頃だったと記憶しています。週末の二日間で長野の里山とスキー場の周辺をガンガン走る!というイベントがあり、夫が熱望して参加することになりました。地元の方が町おこしボランティアで炊き出しなどもしてくださり、かなり大規模で長距離を走るものでしたが、子供も頑張って参加していました。

初日はスキーのゴンドラに自転車を積んで山の上まで上がって降りる、という基本下るコースで、ところどころハードで、こけないようにするのが精いっぱい。
二日目は里山ツーリングということで町の中をがんがん走り回るというコースなのですが。ペースメーカーとなるガイドさんが結構な走り屋さんでスピードに追い付くのが大変で、あまり周囲を眺めたり味わったりしている余裕がなかった・・・そんな昼前の事でした。

ダラダラした長い上り坂、というか丘の真ん中に車がすれ違えるかというくらいのほぼ獣道。
両脇は人の頭よりたかい草がぼうぼうで、そのやぶの向こうはほとんど見えませんでした。

10メートルくらい前のガイドと早い人たちの集団に「追いつかなきゃー」と必死でペダルをこいでいたら、左側からガサガサガサガサガサガサッッ!と凄い音が聞こえて茶色の風の塊が目の前を横切りました。自分も、後ろにいた人たちも急ブレーキをかけてぎぎぎぎぎーーーー!とこれもまた耳障りな音が重なってぶつかる寸前で追突もなく停まることができたのですが。

心臓はバクバク言っているし、しばらく呼吸が落ち着くまでペダルをこぎ始められませんでした。
鹿でした。

三頭、牛かと見まごうばかりのサイズの立派な角を生やした雄もいました。もし横から突っ込まれていたら踏みつぶされていた…?と思うと嫌な汗が背中から吹き出しました。

先行していたガイドさんが異変に気付いて戻ってきてくれて、すぐ先に設置されていたエイドステーションでお昼にして一休みしましょう、ということになったのですが。そのときにお蕎麦を配ってくださった地元のおじさんに「今、鹿が目の前を横切って・・・」と話したら「無事でよかったねぇ・・・鹿は刺さるから!」・・・踏みつぶされるのも嫌ですが、刺さるのはもっと嫌!

それ以来、自転車のイベントに参加するのは構わないけれど、あんまり深い山の中はちょっと勘弁。人が安易に入っちゃいけない所って、やっぱりあるよな、と思った次第です。


Writing by  SAKURA
主婦です。男の子の年子がいます。もう大きくなりましたが、中学くらいまではキャンピングカーでほうぼうを巡るアウトドア大好き一家でした。

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