2018年10月14日、防衛省の方針として、現在自衛隊が唯一海外の根拠地を設けているてアフリカ東部 ジブチの恒久化を目指すことが報道されました。
現在はソマリア沖に出没している海賊に対応する目的で拠点を置いているジブチですが、この対応が完了した後も拠点としての機能を継続することが必須と判断されたものです。
これは、「一帯一路」構想を進め、同じジブチにおいて、国外初となる軍事拠点を設置した中国の動向を睨んでの動きとみられます。継続に向けたジブチ政府の承認を得る目的で年内に調整に入るものとされています。
海上自衛隊のソマリア沖での海賊への対応は平成21年から開始され、現時点では護衛艦1隻とP3C哨戒機2機がその任にあたっています。続く平成23年にはジブチ国際空港の北西部に凡そ約12ヘクタールに渡って、隊員の宿舎、事務部署、整備用の格納庫を置き、自衛隊として初めての国外拠点として活動しています。
こうした海賊への対処は、凡そ30カ国が軍艦を中心とした部隊を展開、この効果で、2011年(平成23)年には237件に上った海賊行為が、2015年(同27)年には0件、2017年でも9件と減少させています。
海賊が跋扈する要因のソマリア国内の貧しさと治安の問題は残されており、諸国が海賊対応を軒並み引き上げれば元の状態に戻りかねない状態にあるため、海上自衛隊海も対応の継続を続けています。
しかしながら、海賊への対応を永久に行うことは困難であり、日本周辺の東シナ海における中国海軍に向けた警戒や監視などの必要性が増してきている中、タイミングを計った上で撤収とする時期が訪れるものと想定されます。
海賊の対応が終終結することになれば、ジブチ政府から当座の暫定措置としてのみ承認されていた拠点を継続する根拠が消失してしまうことになります。
かたやインド洋と地中海を繋ぐ要衝に位置しているジブチの存在は、アフリカへの拠点としての高い意味を持っています。
アフリカにおける在外邦人の保護に迫られる事態が発生した場合でも自衛隊機による救出や輸送などの拠点としての活用できるためで、ジブチの拠点を用いた輸送の訓練も実施されています。
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