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いまだから「ドッグタグ(認識票)」!

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ミリタリー好きな方は言うに及ばず、ファッション系に興味をもっている方なら、実際の軍隊で使用されたアイテムをベースにした、様々なグッズが日常にも溢れている例を多数目にしていると思われる。
身に着けるものの代表としての衣服であれば、定番のPコートは各国海軍で使用されている為、ボタン部分に錨のマークが入っていたり、アメリカ軍のM-51フィールドパーカはモッズ・コートとしてよく知られている。

そうしたミリタリー由来のアイテムの中でも、かなり小物の部類にはなるが著名なものに「ドッグタグ(認識票)」があり、主としてアメリカ軍兵士が戦場で首から下げているものだと多くの方がご存じだろう。
特にベトナム戦争を舞台としたアクション映画などで「ドッグタグ(認識票)」を目にした方は多いと思われるが、ファッション・アイテムとしてこれを独自に製造・販売しているサイトなども複数存在している。

目次

「ドッグタグ(認識票)」の始まり

前述のように日本ではアクション映画等でアメリカ兵が使用している「ドッグタグ(認識票)」を目にした方が多いと思われるが、無論アメリカ軍だけでなく現在でも世界各国の軍隊で様々な形状・材質のものが使用されている。
歴史上からは1870年の普仏戦争においてプロイセン軍(現在のドイツに相当)が世界で初めて使用したとされており、同時期に首都ベルリンで犬の首につける鑑札が導入され見た目の類似から準えられたと言われている。

形状以外にも、国家や軍隊上部からの命令に対し一般の兵士が忠実に従う様を、正に「犬」同様だと当時の人々が自嘲したものとも伝えられており、この犬用の鑑札を英語にしたものが「ドッグタグ」である。
但しあくまでも「ドッグタグ」はアメリカ軍兵士の間において用いられたスラングの一種であり、現在のアメリカ軍での正式な呼称は「IDタグ」となっているが、長年にわたる慣習は簡単には廃れず一般には浸透していないようだ。

様々な形態のものが存在する「ドッグタグ(認識票)」

日本でも最もメジャーな「ドッグタグ(認識票)」は、やはりアメリカ軍のものだと思われるが、それこそ存在する軍隊の数だけ、また年代によっても様々な形態の「ドッグタグ(認識票)」が使用されている。
代表格のアメリカ軍のものは、同様の内容を刻印された5センチ程度の大きさで、長方形の角を丸くしたような安価なアルミ主体の合金製であり、2枚を一組にして首からかけるチェーン形式で携帯する事が義務付けられている。

2枚で一組になっている理由は、当該の兵士が死亡した際に片方を回収して戦死の報告に用い、残りの片方でその遺体の個人の特定ができるように残す事を念頭に置いている為だ。
現在の自衛隊でもこのようなアメリカ軍の運用に準じて2枚一組の「ドッグタグ(認識票)」を採用しており、我々がよく知る形式の「ドッグタグ(認識票)」だと言う事が出来るだろう。

アメリカ軍で「ドッグタグ(認識票)」に刻印されている情報は、姓名・生年月日・性別・血液型・所属軍・宗教・各種番号等であり、番号は近年まで各人の社会保障番号だったが、個人情報保護の観点から国防省独自のものに変更されている。
またアメリカ以外の国、例えばドイツやフランス、イタリアなどでは1枚の「ドッグタグ(認識票)」の上下に同じ情報を刻印し、中央から折って切り離す事で回収可能としているタイプのものも運用されている。

アメリカと日本の「ドッグタグ(認識票)」に纏わる都市伝説?

自衛隊がアメリカ軍同様に2枚一組の「ドッグタグ(認識票)」を使用している事は前述の通りだが、この両者の「ドッグタグ(認識票)」には本体に一部切り欠けたような部分があり、その用途が都市伝説風だ。
但しアメリカ軍の「ドッグタグ(認識票)」にこうした形状が見られたのはベトナム戦争時までであり、現在使用されているものはそうした部分はなく、逆に自衛隊は今でもこの形状のものを運用している。

この「ドッグタグ(認識票)」の一部切り欠けたような部分は、死亡した兵士が死後硬直によって口を開かせる事が困難な場合に、その部分で強制的に開口を行い、歯をこじ開ける用途に使われると言う見解がある。
これについては結論から言えば、自衛隊の場合は実際にそうした用途に用いると通達された文書があり事実だと言えるが、アメリカ軍の場合は五大湖軍事史博物館教育収集所長の言により、その事実は否定されている。

それによれば当時のアメリカ軍の「ドッグタグ(認識票)」の切り欠けたような部分は、情報の刻印を行う際、それを行う機械へ正しい位置にセットするための目印だとされており、ここから口のこじ開けは都市伝説だと言えそうだ。
因みに自衛隊の通達文書とは昭和38年9月4日付けの航空自衛隊達第48号「認識票に関する達」で、「ドッグタグ(認識票)」の形状が図解されており、その説明に「死者の歯をこじあける場合に使用する」と明記されている。

「ドッグタグ(認識票)」がキーアイテムとして登場するアニメ

実際の戦争を描いた映画等ではないが、著名なTVアニメ「装甲騎兵ボトムズ」の外伝として、OVAにて全12話が制作された「機甲猟兵メロウリンク」という作品では「ドッグタグ(認識票)」がキーアイテムとして登場する。

「機甲猟兵メロウリンク」はメロウリンク・アリティと言う17歳の少年兵を主人公とする作品だが、彼の所属する小隊は撤退作戦で全滅、唯一の生き残りとなるも、軍事法廷で冤罪を被せられ復讐のために逃走する。
この時にかつての仲間たちの「ドッグタグ(認識票)」を持ち出して逃走し、これを冤罪を被せた軍の将校らに何らかの手段で示して、死んで行った仲間への復讐である事を認識させる事に用いられている。

ファッションや実用性も謳われアクセサリーとして販売もされている

現在においてはファッションアイテムの一つとして、「ドッグタグ(認識票)」を作成してくれる民間のアクセサリー会社なども、インターネット上では数多く見かける状態になっている。
前述のように実物の軍隊の「ドッグタグ(認識票)」の素材は製造や加工が容易で安価なアルミ主体の合金製が多く、自衛隊が使用しているものはステンレス・スチール製とされている。

但しアクセサリーとして販売もされている民製品の「ドッグタグ(認識票)」は、無論ファッション性を重視しているため素材自体が価値の高い金属も使用され、金銀はもちろんチタン製などもあるようだ。
用途も見た目のカジュアルさに加えて、万が一事故や災害に遭遇した場合に容易に本人確認ができると言う実用性も訴求されており、一向に値する新たな付加価値だと言えるかもしれない。

※画像はイメージです。

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