子どもの頃から、不思議な話、怪談が大好きです。
怖いものだからみたくなる、知りたくなると好奇心はいっぱいですが、ビビりのため自分で体験するのは絶対イヤ。
これは、私が大学時代に一人暮らしをしていた時の出来事です。
田舎から都会の大学に進学したのは良かったのですが、住んでいた地域の周辺は少し治安が悪い場所だったので、ビビリな私は慣れるまでに半年もかかってしまった程です。
しかし慣れてしまえば何のことはなく、むしろ夜中にコンビニへ出歩くことが多くなっていったのでした。
憧れの都会生活
当時住んでいたのはマンションの8階の部屋で、ドアを開けるとすぐ前がエレベーター乗り場という便利な位置です。
あの日の夜1時頃、無性にアイスが食べたいと思い、いざコンビニへ。
ドアを開けると、初老の男性がたたずんでいて、エレベーター待ちをしている様子でした。
ふと同じ階の住人と思い会釈をしましたが、その男性は会釈には答えてくれず、斜め下を向いたまま微動だにしません。
お祖父ちゃんだからでしょうか?「生気」のようなものがが感じられず、一緒に狭いエレベーターに乗るのは嫌だなと感じつつ待っていると。
「ポン」という音とともにエレベーターが到着し、私はさっさと乗り込み、開くボタンを押しながら待っていると男性は何の反応もありません。
「乗りますか?」と聞いても、何も答えずうつむいたままなので、一人でエレベーターで下に降りました。
コンビニで買い物をしながら、さっきの出来事を考えていると違和感しかありません。
マンションの一階で帰りのエレベーターに乗ろうと思うと、なんだか恐ろしくなってきて、誰か一緒に乗ってくれる人が来ないかなと待ってみたのですが誰も来ません。
こんな夜中、私みたいな暇な学生以外は誰もいないでしょう。諦めて、おそるおそる8階に上がると先ほどの男性はいなくなっていたのでした。
次の日、大学の友人にこの事を話したら、不審者の可能性もあるから夜は出歩かないように言われ、私自身も怖かったので、当分夜に出歩くのはやめにする事にしました。
佇む老人
数ヶ月たって、初老の男性のことはすっかり忘れていた頃。あの日と同じ時間帯に無性に肉まんが食べたくなり、コンビニに行こうとドアを開けたのですが・・・。
するとそこには、同じように初老の男性が立っていて、目があってしまい、あせった私は「あ!〇〇忘れた」とわざとらしく大きな声で言って、素早く部屋に入りカギをかけました。
覗き穴から覗いて様子をうかがうと、まだソコにいる。
私の一連の動作にも無反応な上、エレベーターが来ても乗り込みません。
「あ、やばい。外にあのおじさん怖い、はやく居なくならないかな?」ともう一度、ドアについている覗き穴から外を見てみると真っ暗。
「?」と思いながら除き続けていると黒いものがふーっと動いて、見えるようになってきると・・・それは目でした。初老の男性が反対側からレンズを覗き込んでいたのです。
その夜は怖くて眠ることができませんでした。
あの男性
次の日、管理している不動産屋に連絡して事情を告げると、そんな年齢の男性はこのマンションには住んでいないようで外部の人じゃないか?
あまり続くようであれば警察へ相談を勧められました。
怖いけれど警察沙汰はちょっと嫌だなと思い、それから何日か除き穴から監視したのですが、なぜかそれ以降、見かける事は無くなりました。
覗き穴の前にいたのは、同じ男性だったのか?もしくは他の何か別のモノなのかわからない。
でも一つ確実にいえるのは、一人暮らしはしたくないです。
※画像はイメージです。
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