2019年11月9日、ロシアの首都であるモスクワの公園で小学生たちを中心にAK-47の組み立てや分解を競うイベントが開催されたとのニュースが伝えれた。
このイベントはAK-47の設計者であるミハいル・カラシニコフ氏の生誕100周年を記念した行事の一環ということだが、驚いたのはあたかも実銃の組み立てを行ったかのようなタイトルでニュースが報じられていた点だ。
記事をよく見ると実銃では無く、トイガンが使用されたようにも見えるが、如何にも危険の事のようにニュースが報じていたことに少なからぬ悪意を感じた。
特に「小学生」、「AK-47の組み立て」と言うフレーズからはロシアを野蛮な軍事国家のように見做す側面が強く感じられた。
ロシアが軍事国家であることは間違いの無い事実だが、問題はAK-47の組み立てを公園で行うことだろうか?
アメリカでは今でも市民の武装する権利が認められており、幾多の銃乱射事件が起きようとも完全な規制に入る様子はない。そうした側面から考えれば、ロシアの脅威とは重そのものではないことは明らかだと思える。
因みにAK-47を始めとするAKシリーズは、史上最も生産された小銃としてギネスブックにも認定されていると言う。
今でも中東に色濃く残る「カラシニコフ文化」と称される旧ソ連・ロシア製のこの銃器がもたらした武装ゲリラの混沌は確かに問題だ。しかし仮にAK-47がなくても違う銃器で争いは行われたとしか思われず、武器そのものより大国のエゴや石油、なによりもキリスト教とイスラム教など複雑な宗教対立が根底にあると思われる。
興味深いのは、AK-47を設計したミハイル・カラシニコフ氏は軍で技術中将まで務めたとはいえ、そこは共産主義時代の旧ソ連のこと、これだけ多数の銃器が生み出されたとはいえ、本人がそれで大きな収入を得たということはないという点だろう。
西側で言えばジョン・ブローニングくらいインパクトを与えた銃器設計者だと言えると思うのだが、商売として設計したのではない点は皮肉だとも言えそうだ。
良くも悪くも20世紀の歴史に影響を与えた名銃であることは間違いないだろう。
eyecatch source:Danny H.によるPixabayからの画像
※写真はイメージです。
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