東宝特撮映画の名作、ラドン、モスラ、これら作品に限らず、航空自衛隊の主力戦闘機として出演していたF86セイバーの魅力について語ります。
F86セイバー
F86セイバー、朝鮮戦争から登場したアメリカ製の戦闘機である同機は、作中にある様に航空自衛隊の主力戦闘機として活躍し、出撃シーン等では実機の出撃シーンが使用されて映画に華を添えています。
しかしいくつかの作中において、見慣れない形状の機体が登場しています。
望遠で詳細が分かり難いもののF86Fとは明らかに異なる外見の機体、その正体は全天候型戦闘機、F86Dとなります。
全天候型戦闘機とはレーターを搭載し、昼夜天候を問わずに戦闘可能な戦闘機の事であり、前述したF86Fは、レーダーが搭載されておらず昼間戦闘機にカテゴライズされる機体になります。
機体名から推察される通り、同一系統の機体であるF86DとF86F、両者の判別方法は機首。
空気を取り込む為のエアインテークと言われる機能が存在する両機ですがF86Dのエアインテーク上には大きな膨らみがあり、その膨らみにレーダーが搭載されています。
現代の戦闘機も殆どの機体はレーダーを機首に搭載しており、機首の先端の尖った部分にレーダーが搭載されています。
F86Dとラドン
映画に一瞬だけ登場するF86Dはラドンのシーンがオリジナルの映像であり、その他の作品に登場するのは使い回しになりますが、実はラドンの撮影当時、航空自衛隊にはF86Dが配備されておらず、ある意味幻の戦闘機とも言うべき存在であったりします。
撮影当時、航空自衛隊未配備のF86Dの正体、実はその正体は登場シーンをしっかりと観察すれば一目瞭然であったりします。
登場シーンのF86Dの主翼には日の丸では無くアメリカ軍所属を示す星のマークが描かれており、この機体が航空自衛隊所属機では無く、在日米軍所属の機体である事を物語っています。
カットインさせるのは?
一瞬だけ他種の機体のシーンをカットインさせるのは東宝特撮の手法の1つであり、太平洋戦争中に撮影された傑作航空映画加藤隼戦闘隊の空戦シーンの中に一式戦闘機、隼の中に混じって二式単座戦闘機、鍾馗がカットインしていたりするので興味がある方は是非探してみては如何でしょうか?
F86Fは東宝特撮映画を代表する戦闘機であり、様々な特撮映画に出演して活躍しており、F86Dもこっそりと紛れ込んで登場しているので、是非とも登場シーンを確認して見て下さい。
特撮映画に登場するレア機体、F86Dは香川県善通寺の乃木館の広報広場にて見学する事が可能であり、最後にその写真を掲載させて頂いて終わりとさせて頂きます。
※画像はイメージです。
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