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天の珍奇な贈りもの?~ファフロツキーズ現象の謎~

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魚やカエル、血、肉、硬貨など、ありえない物体が空から降ってくるファフロツキーズ現象。
いったい、この瑠璃色の地球に何が起きているのだろうか。古今東西、人類の頭上にクエスチョンマークをも落としてきた奇々怪々な現象について考えてみた。

目次

晴れのち雨、ところによりオタマジャクシ

ファフロツキーズは雨や隕石などと違い、常識では落ちてくるはずのないものが空から降り注ぐことをいう。「ファフロツキーズ」なる名称のもとになったのは造語の「fafrotskies」。「空からの落下物」を意味する「falls from the skies」のアルファベットを拾ったものだ。命名者は「オーパーツ」の名づけ親でもある動物学者・怪奇現象研究家のアイヴァン・サンダーソン。

もっとも「fafrotskies」という言葉は欧米では一般的とは言いがたく、通常は「creature falls」などといわれるようだ。古来、わが国ではファフロツキーズにあたる奇現象を「怪雨」(あやしのあめ)と呼んできた。この誌的なネーミングのセンスは、さすが神国日本と感心せずにいられない。(※柊は自他ともに認める愛国者ですが、真ん中の線より右に立っているわけではありません。)

さて、落下物の状態はというと、生きたまま落ちてくるときもあれば、カチンカチンに凍っていた例、またはミイラ化したケースなど、じつに幅広い。さらに、ほぼピンポイントの範囲に集中して降ることもあり、「やれやれ、やっとやんだぜ」と人を安心させておいて、数分後に再び降りだすというトリッキーな場合もある。

この困った現象の謎解きとしては、竜巻説、鳥の食べこぼし説、錯覚説などがよく知られる。これらの理論で実際に説明がつくケースもあることはあるのだが、それでもやはりモヤモヤは残る。この怪現象の解き明かしに挑んだ仮説や、そのメカニズムをおさらいしておこう。

本当に空から降ってきたのか?

ファフロツキーズとガチで向き合うために、まずはっきりさせておきたいのは、それらは本当に空からの落下物なのかということだ。過去の事例をみても、「降っている瞬間」を目撃した人間がゼロのケースはざらにある。

目撃者がいないにもかかわらず、「朝おきたら、道路がカエルだらけなのよ!」→「夜のうちに降ったんだな!」と決めつけてきたわけだ。目撃者がいないうえに、落下物と推定できる潰死体などの証拠もないのなら、いくら仮説を立てたところで無理がある。

George Cruikshank, Public domain, via Wikimedia Commons

犯人は竜巻説

この珍現象の謎を真面目に検証する人たちを見て、「原因は竜巻なのにワロタ」と上から見る人もいる。竜巻説とは、海面や湖面で発生したウォータースパウト(水上竜巻)が魚を巻き上げ、遠方に運んで落とすというメカニズム。
降ってきた生物のうち、圧倒的に多いのは水棲類や両棲類。つまり落下物はウォータースパウトが発生する場所の住人ということで、竜巻犯人説に説得力をもたせている。

けれど、竜巻説ですべてが説明できるかというと、疑問も残る。たとえば土の中にいるミミズが大量に降ってくるのはなぜなのさ。「それは陸の竜巻が土の中のミミズを大量に巻き上げて、はるばる遠方へ運んだのさ!」といわれても、理屈ではわかるけれど、なんだかスッキリしない。

鳥の食べこぼし説

落ちてきたのは鳥のランチだった、という仮説。さまざまな説が唱えられているなかで、猛禽類のしわざを疑う人は当初から多かった。なんとなくありそうだし、「なんだ、犯人は鳥か。じゃ、しかたないな。こっちは迷惑だけど」とまるめ込まれる優しい人もいるだろう。

ところが、この仮説においても「何千匹もの魚のシャワー」という事実を突きつけてぶった斬る人がいる。「タカやトンビって、そんなにテメエの食いもんをポロポロ落っことすものなんですかい?」という至極もっともな意見だ。あるケースでは、報告書の文末にて「ちなみに空に鳥は1羽もいなかった」とダメ押しをする始末。
とはいっても、落下した魚がそれほど大量でない場合は猛禽類が犯人の可能性も捨てきれないとは思う。

錯覚説

いかにも空から降ってきたように見えるけれど、じつはもともと地上にいたんだよ、だまされちゃだめだ、という訴えである。繁殖力が強いカエルなどに有効な仮説だろう。

ファフロツキーズには大雨や嵐といった悪天候がつきもの。一時的な増水や氾濫で水際の境界がなくなってしまい、カエルが生息地を移動した、などと説明される。空から降ってきたわけでなく、突如として、どこからともなくカエルの集団があらわれたというわけだ。とりわけ落下の目撃証言や潰死体が確認されていないケースでは、「じつは降っていない」パターンはあるかもしれない。

結局、真相は闇の中

結局のところ、ファフロツキーズの原因はいまだよくわからない。奇現象の研究に余念がないジョン・スペンサーは、「ファフロツキーズには、まっとうな仮説は立てられていないね。面白おかしい事例を紹介して終わり、というパターンが多すぎる」となかなか手厳しい。

ファフロツキーズが発生するプロセスは、おそらく個別のケースによって微妙に異なり、一概には言えないとしておくのが現時点では妥当なのだろう。「変なものが降ってきた」という共通点のみで、すべての事例がひとつの原因で説明できるとは思えないからだ。

まさにミステリーとしかいいようがないファフロツキーズ現象。もちろん未来の科学で解明される可能性はあるだろう。しかし筆者の主観としては、この謎は永遠に明かされないような気がする。人類はひたすら傘を手に、大自然の成り行きに身をまかせるしかないのかもしれない。

eyecatch source:George Cruikshank, Public domain, via Wikimedia Commons

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