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「ファイナルファンタジーⅥ」の魅力を個人的な視点からお届けします!

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「テレビゲーム」というものに触れて間も無い幼年期の目に、その第一印象は「何が何だか分からないけれどとてもすごいゲーム」として、文字通り「衝撃」だった事が記憶に焼き付いています。
同じスーパーファミコンからリリースされているのに、描き出される世界や異形の存在感は、風や臭いまで感じてしまうような彩りに溢れ、暑さ寒さから触れた事の無いものの不気味な感触までを思い起こす程でした。

シリーズナンバリングタイトルとしてスーパーファミコン世代の最終作となった本作は、正にそうした「存在感」において詰め込めるだけのものを詰め込んだ、あらゆる要素において「奥行き」を感じさせる伝説的作品であり、製作に関わった人々の思い入れが刻み込まれたからこそ、様々な要素にプレイヤーが思い入れを持って記憶している作品と言えるのではないかと思う次第です。
それ故、あまりに有名な作品ではありますが、敢えて「個人的な思い入れ」からお送りしたいと思います!

目次

見た事も無い「幻想」から目を話す事が出来なかった。

悪魔的ですらあった脅威の「ドット絵(ピクセルアート)」が端から端まで満たされたアート世界は見ているだけで楽しかった!
プログラムを使ってコンピュータ上でゲームの処理しようとする試みが形になって以来、何を置いてもまず必要とされたのは「画面にゲームを描き出す」という事であった…と言ってしまえる事でしょう。

改めて「コンピュータゲーム」というものを振り返ると、古くはオシロスコープを使って「テニスのように玉を打ち合う」事から始まり、テレビやパソコンのブラウン管モニタに画像やアニメーションを描き出す能力を高めるべく独自の技術や処理能力を競い合い。
遂にはスマートフォンやタブレットといった小型画面から4KやVRといった高精細映像や特殊な視覚効果にまで辿り着く程、技術は進歩し、ユーザーもそれに応じて新たなものを求めてきたと言えます。

しかし「テレビゲーム」という言葉が最早死語になったと言っても過言ではない昨今、コンシューマーゲーム市場を駆け抜けたタイトルが「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター」だったという事実は、コンピューターゲーム発展の歴史から見ても興味深いトピックだと言えるものでした。

ピクセルから始まる

ピクセル・・・本来はモニタ上に画像を出力する単位の「点」を意味する語であり、それを幾つも並べて「点描」のように描いた「ドット絵」とも呼ばれるものが、コンピューターゲームの描画方式でも主流となるものでした。

「ファイナルファンタジー」シリーズは「ドット絵」を用いた表現の中でも発売当時から職人技の誉れが高いもので、スーパーファミコン世代のナンバリングタイトルとして最後を飾った「Ⅵ」は、あまりにも複雑精緻にして華麗且つ多種多様な作品の宝庫である事から畏敬を込めて「再現不能なオーパーツ」とも評されます。

その魅力はゲーム内のあらゆる視覚表現…キャラクターから広大なワールドマップ、ダンジョンや城、塔、街並みに「オペラ座(?!)」といった構造物の姿から、一束幾らの雑魚モンスターに世界を揺るがす強敵の姿まで、あらゆる切り口から留まる事を知らずに溢れ出すものとなっています。
そんな魅力だらけの「ドット絵」達の中、筆者が自分でも良く分からないけれど、どうしても忘れられず思い出す程に謎のワクワク感を感じてしまうのが「モンスター」のグラフィックです。

カラーバリエーション差分を除いても100は軽く越えるであろう、その不気味であったり不格好であったり、時にクールで格好良く、またはコミカルな中に隠しようの無い威圧感や邪悪さを漂わせる姿は、物語へ直接関与しないものにも不思議な魅力を感じずには居られないものでした。

「天野喜孝」氏によるイラストをドット絵に

特にイメージイラストやメインデザインを務められた「天野喜孝」氏によるイラストをそのままドット絵に落とし込んだと見える、不気味な中にも圧倒的な存在感を持って立ちはだかるモンスターは、背景と合わせて画面が「絵になる」ものでした。

後継作でもその人気から「再登場」を果たす有名マスコット(?)にまで上り詰めた「オルトロス」や「テュポーン」といったコミカルな出で立ちのモンスター達も去る事ながら、陰惨で危険な狂気の果てに生み出された背景をその姿形で暗に語る「マグナローダーズ」や「ナンバー126」といった、多くは語られないが故に不気味な存在の魅力も光ります。
また、ドット絵表現の「芸術性」を語るならば、登場するマップとサウンドの調和も踏まえて印象に残る事請け合いである「魔列車(迷いの森)」は外せません。
蒸気と煤煙を纏った沈んだ黒鉄の中に、重厚ながら気品も感じさせる巨大な「生きる」機械の塊を黒々とした陰影の中で描き分けているその存在感は、本作を象徴するワンシーンと名指すに相応しいものです。

これら敵キャラのドット絵について、ゲーム中では中々落ち着いて見られなかったものを、設定資料などと併記してじっくり眺められた「ガイドブック」の存在も思い出深いもの。
分けても「NTT出版」から発売されていた「基本情報編」等を始めとする刊行物は少々値が張るものではありましたが、ゲーム中では語られない…下手をすると「全く関係無い不審情報」であったかもしれない…物語も合わせて記されており、それがまた想像力を膨らませて楽しいものでした。

先日発売された「~ピクセルリマスター」では、こうしたモンスター達の情報等も「図鑑」として参照出来る機能があるとされ、そうした楽しみ方も再現されていると言えるでしょう。

ゲーム「サウンド」を「ミュージック」に昇華

その「人柄にも」魅せられて。ゲーム「サウンド」を「ミュージック」に昇華にまで昇華させたマイスター「植松伸夫」氏無くしてこのドラマは語れない!

本作を始め、ファミコン、スーパーファミコン、プレイステーションまでの3世代において「ファイナルファンタジー」という長大なシリーズを音響面から支えた「植松伸夫」氏の名前は、今日日本のコンピュータゲームを愛好する人ならば1度は見聞きした事があると思います。
(ソーシャルゲームしか知らないという世代でも「飛空士」の方ならお世話になってるはずです!)

日本において「ゲームサウンドからオーケストレーションを果たした双璧」として「ドラゴンクエスト」と共にその音楽性が広く知られる方です。
故「すぎやまこういち」氏が当時から既に作曲家として著名であった事を鑑みると「ゲームミュージックというジャンルを切り拓いた」という意味で「第一人者」の一角を為すのが「植松伸夫」氏であると言う事が出来るでしょう。

その豊かな音楽性は、ファミコン世代から「ファイナルファンタジー」という作品群を彩る重要な「世界観」となってプレイヤー達が共有してきたもの…「クリスタルの物語」が「プレリュード」によって幕を開けるように「物語る音楽」となってプレイヤーの記憶を彩ったものでした。
その「音作り」が一つの「完成」を迎えたと言えるのが、正にスーパーファミコン世代最後のナンバリングタイトルとなった本作でした。

前作「~Ⅴ」までにおいて、その表現力は作品毎に深化を続けて来たものでしたが「~Ⅵ」において、その音楽性は「飛躍」したと言えます。
それは音作りのノウハウがスーパーファミコン世代においても3作目を数え、ファミコン世代からでは6作目という蓄積に加えて「植松氏自身のキャリア」や「人間性」から、その表現力が一段と幅広く花開いたものだったかもしれません。

ゲーム製作スタッフの一人に憧れる

そんな「個人的思い」を持たずに居られないのが、他ならぬ植松氏自身の手に拠るエッセイに触れた経験からでした。

初めて手にしたのは『THE BEST OF FINAL FANTASY 1987-1994』の初回特典である『人生思うがまま』という、何処か人を食ったような表題の、それでいて愛敬たっぷりの小冊子でした。
氏の人間臭さがこれでもかと濃縮された一冊には、音楽大好きなおじさんが悩んだりタバコ吸ったりインド旅行(?)したりする中で楽しそうに物事を見つめている優しげな眼差しが表現されていました。

その「語り口」が、作中で「語られるように」響く音楽と似ているように感じられたが故に、その音楽性を更に深く愛好するようになったという記憶が、今にしてなお鮮烈に残っているものです。
ライナーノーツと言うには複雑で、クセだらけと言わざるを得ないものではあったのですが、それでこそ惹かれ、納得してしまうものがそこにあった…ような気がします。
現在ではこの一冊それ自体は入手困難かもしれませんが、氏のエッセイ集は他に「楽して暮らしてぇなぁ」等も発刊されていますので、機会があれば是非手に取って頂きたいと思う次第です。

2023年4月にリリースされた「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター」シリーズラインナップには、もちろん本作も含まれています。
かつてプレイされた方はもちろんですが、このシリーズは「過去のリメイク」では実現仕切れなかったアーカイブ要素等も備えており、新たに触れてみたいと思う方にとっても価値あるものになっていると言えます。
JRPGというジャンルを深く知る上でも、PCR音源によって作り出された音楽体験を手元に置く意味でも、十分に楽しめる作品だと思うものです。

20世紀日本で、ゲームにハマって育った少年ならば1度は「ゲーム製作スタッフの一人に憧れる」という経験があったり無かったりするものではないでしょうか。筆者は本作に触れて(実はⅤよりこちらが先でした)以来、植松伸夫氏のエッセイ読んだりする人種になりました。

(C) SQUARE ENIX (C) YOSHITAKA AMANO

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