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SFC時代を彩る「ファイナルファンタジーⅤ」を思い出を交えて語ります!

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1992年12月6日と聞いて、スーパーファミコン世代であれば正にその日の事を思い出す方も少なからず居られるのではないでしょうか。
ROMカセットにしておよそ245万本・・・国内売り上げ史上8位という偉業でも語られる、その一本を求めて店舗に殺到するファンの姿を何かの映像で見たような記憶は、スーパーファミコン世代である筆者の脳裏にも朧気ながら焼き付いています。

スーパーファミコンという激変する環境に完全対応し、その性能を活かしきって見せた技術と情熱の結晶は、30年という時を経て尚、和製RPGというジャンルにおいて欠かす事の出来ない存在感を放つものとなりました。
改めてその意義を説明するまでもないビッグタイトルではありますが、その思い出を今一度確かめてみたくなるのもまたファン心理という事で、思い出を交えて一筆書かせて頂きます!

目次

「クリスタルの物語」はここに結実した?

5作目にして編み上げられた「物語」と「システム」が最高度に共鳴する「到達点」と称するに相応しい完成度だった!

「クリスタル」・・・それは「ファイナルファンタジー」の第一作から、物語の世界における自然が持つ力の「結晶」等として「物語の傍らに在る」ものでした。
ナンバリングタイトルとして歴史を積み重ね、それぞれの物語世界に直接の繋がりは無くとも「その輝きを守る為に戦う」道標であり、力の源であるものだという思いを共有しては紡がれる物語だった…かもしれません。
本作はその5作目…数字として見て一つの区切りと言える数を重ねた中で「クリスタルの輝き」が脅かされるという所から物語は始まりました。

訪れる不吉な予兆、その事実を知って急ぎそれぞれの手を尽くす者達…言葉少なに、ただそれぞれの焦燥と責務に突き動かされる姿が畳み掛けられる冒頭の訴求力は、スーパーファミコンという環境での描写力を最大限に引き出し、舞台劇ではなく映画のような「映像」として打ち込んでくるものでした。

そんな緊迫した物語の幕開けから、一転して「主人公」と紹介されプレイヤーに託されるのは、スクウェアのマスコットとしてすっかりお馴染みとなっていた愛らしい巨大鳥「チョコボ」…を相棒として身一つの旅をしていると思しき青年の姿であり、尋常ならざる「隕石の落下」という状況も「差し迫った危機」と言うよりは「まるで現実感の無い珍事」という、緊張感とは少々縁遠いどこかコミカルな出来事として展開していく事となります。

この「巧みな二層構造」…即ち、世界が陥ろうとしている「伝説的な破滅」への趨勢を知る「老賢人」達の世代と、世界の趨勢をほとんど知らないまま、若く精力的な生き方を今正に謳歌しようとする「無垢な希望」の世代を対比させながら、不可避となった破滅へと立ち向かう為のあらゆる責務と術を「継承」していく物語が形作られていました。
その物語には、幾千という時や世代の積み重ねという「重大な背景」を持つものでありながら、その前提となるものを「何も持たない」プレイヤーの観点を見事に誘いつつ、冒険を重ねる中で「プレイヤーも共に」その視座を得ていくという形で描かれていた事から、間口がとても広く、しかし奥へ行く程にその深みは何処までも広がっていくように広い世界を感じさせるものとなっていました。

「ジョブ&アビリティ」システム

この「物語への没入感」を支えた一点と言えるのが、シンプルながら物語に裏打ちされ、しかも大きな広がりを見せる「ジョブ&アビリティ」システムでした。

物語の構造としては「冒険者(=プレイヤー)の戦力を強化する」というだけのものではなく、その本質が「迫り来る滅亡を対価とする」事…「クリスタルの破壊」が起きてしまう結果、残された「欠片」がそこに宿った「英雄達の記憶」を手にした者へ託すという、極めて直接的に訴求する要素として作り上げられています。
一方システムとしては「ジョブ(職業)」と「アビリティ(技能)」を組み合わせて様々な戦闘局面に対応するという発想自体はシンプルなものながら、最終的には20近くも存在する「ジョブ」に、それぞれが3~6個ほど有する「アビリティ」を組み合わせるという多戦略性に加え、強くなる程に見るからに強そうなエフェクトを発生させるものが得られる等、何処までもプレイヤーを飽きさせない作り込みが為されていたものでした。

攻略情報等でも有名な「にとうりゅう(二刀流)×みだれうち」等はその有名どころの最たるものですが、個人的に最も思い出深いものと言えば「ちょうごう(調合)」という能力でした。
「くすりし(薬師)」という道具の扱いに長けたジョブの持つ能力であり、二つのアイテムを掛け合わせる事で通常は存在しないアイテムを作り出すという能力であり、はっきり言ってしまうと使い所はかなり限られてしまうものながら、限定的な状況においては特級の性能を発揮する事も有り、何より「見た事も無い効果を発揮する」という好奇心を激しく刺激する能力に興奮したものです。

見た事も無い効果!

更にこの「見た事も無い効果」という要素と呼応するようにして、ゲーム内に仕込まれたある種の「隠し要素」とも言えるもの…それはいわゆる「隠しアイテム」であったり「隠しイベント」のようなものに限らず、なんとあらゆるボスキャラ…それこそラストダンジョンの要衝を守るような凶悪な敵にすら「伝説に即したような形」で隠された「奇妙な弱点」が設定されていたりするという、正しく「冒険」の一要素たる「探し出し、見つけ出す楽しみ」がこれでもかと盛り込まれていた事も印象深い点でした。

ゲームを遊び尽くす…という「遊び方」にまで思いの至らなかった筆者にはその全てを見つけ出すなど到底辿り着けないものではありましたが、当時「NTT出版」から発売されていた「完全攻略法」を称する攻略本の情報には大層胸をときめかせたものでした。
どこまでもプレイヤーを楽しませようという要素を詰め込んだ一作、今プレイすればまたその思い出が何処までも甦るであろう事は間違い無いものです。

その「サウンド」は「物語」

「ゲーム音楽」が作品の枠すら越えた「アート」として存在感を輝かせた驚きがそこにあった!
本作において、その物語やゲーム性と合わせ「主たる要素」として絶対に外せないのが「植松伸夫」氏の手に拠る「名曲」の数々です。

「植松伸夫」氏は「ファイナルファンタジー」第一作からサウンド担当として「プレリュード」に始まる数々の楽曲を手掛け、ファミコン黎明期から「ゲーム音楽」という「ジャンルの確立」を担った人物である事は、ゲームを愛好する人間にとって周知の事実だと言って過言ではないでしょう。
PCI音源…いわゆる「ビープ音」や「ピコピコ音」と言われるコンピュータ基板が作り出す音源から始まったものが、ドラマティックな展開を掻き立てる重要な「BGM」として進化を遂げた事だけでも、改めて振り返れば驚く他無い事実と言えるものです。

それが本作においての「進化」は「BGM」に留まるものではなく、一つの「楽曲」がまるで何かの物語を歌い上げるかと思わせる程の「アート」として更なる完成度を得るに至った驚きがありました。
従来…前作となる「~Ⅳ」において、既にスーパーファミコン環境へと進出を果たしており、少なからぬ「名曲」に彩られた「名作」である事は確かながら、本作におけるその「豊かな音楽性」が新たな領域に達した瞬間ではなかったかと、今改めて当時の音源を聞き直しても感じるものです。

圧倒的に小さい容量

まず驚くべきはその「多彩な音色」に現れたものです。現在から考えれば圧倒的に小さい容量とは言え、ファミコンからスーパーファミコンというパラダイムシフトは多大な容量の余裕を生むもので、保存出来る音色の数が一挙に増えたという事実は間違い無く存在したと考えられます。
しかし、逆に言えばそれは「納得の出来る音色を幾つも作り出す」必要に迫られるもので、更に「その音色を用いて楽曲を作る」という作業も当然必要になるという、想像するだに果てしない作業の蓄積が存在したと言えます。
それだけの労苦に裏打ちされた豊かな音色は、その作り込まれた精神が反映されているのか、実物の音源から録音したサンプリング音源と違った独特な風合いで以て、聞く者の感情を揺さぶります。
この「音色」の潜在性を最大に引き出して作り出された「名曲」の数々が、プレイヤーの心を捕えた事は言うまでも無く、ゲーム外で、時を経てその楽曲を耳にした人々をも魅了した事は無理からぬ事であったとすら言って良いものでしょう。

作品冒頭、ハープを思わせる響きから力強くも柔らかなファンファーレのリズミカルな協奏で「冒険者=プレイヤー」の未知なる世界へと踏み出す心情を描いたような「メインテーマ」から一切の妥協無く作り込まれた音楽性は、プレイヤーが意識しなくとも一気に印象を刻みつけて来るだけの力強さを持った一曲です。
作中においてはわずか一度、それも時間制限に追われる逃亡イベントにおいて掛かる以外に聞く機会が無いにも関わらず、或いはその一曲を聴くために何度もプレイしてしまう事すらあったであろう、パワフルで破壊的なサウンドが魅力の「ビッグブリッヂの死闘」は、自分で演奏してみたくなる欲求から多彩なアレンジを受け容れる懐の深さまで、幅広い魅力によって今やネットミーム化する程の知名度を誇ります。
こうした如何にも「ゲーム的」とも言えるアグレッシヴに走り抜けるサウンドの魅力を目一杯打ち出すかと思えば、その一方でアコースティックギターが切なくも暖かな「親愛なる友へ」や、管弦の調べがどこか牧歌的で郷愁を誘うのに全く知らない民俗的な風情も感じさせる「遙かなる故郷」等、ワンフレーズを耳にするだけでも心を掻き立てられずに居られない「名曲」の数々が贅沢に詰め込まれた不世出の作品と言える仕上がりです。

「懐かしくも新しい」プレイ体験を手にとって頂きたい

本作は、その人気故にプラットフォームを何度も変更してはリリースされる事となった作品としても知られ、オリジナル版以降の作品に触れた事で本作を知ったファンも少なくはないかもしれません。
その為プレイ自体の敷居は他作品と比べて圧倒的に低いと言えるものとはなっていますが、ならではの「悩み」とも言えるのが「オリジナル版にあった独特のユーザーインターフェースや操作感が失われてしまう」というオリジナルを知るファンであればこその繊細な、然りとて重大な問題でした。

本来は容量との戦いの末に生み出された産物であり時代を経て「改善」される筈だったものが、実はプレイヤーが慣れ親しんだ操作感を含めて大事にするという問題提起になったとも言えるものでした。
その「新たな復活」と言える、ファミコンからスーパーファミコン時代の6作品それぞれをラインナップした「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター」シリーズが発売となり、今なお「愛され続けている」作品である事を再認識した次第です。
是非その「懐かしくも新しい」プレイ体験を手にとって頂きたい作品です。

数ある人の「初めて」・・・筆者が「初めてRPGというジャンルの存在を知った」のは、友人宅で見たこのゲームタイトルが初めてだったのではないかと朧気な記憶に思い起こされます。今となっては何を思ったのか覚えては居なくとも、その「鮮烈な衝撃」だけは色褪せない記憶として刻みつけられています。

(C) SQUARE ENIX

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