『空飛ぶお母さん』がいます。
自衛隊が女性を操縦士として採用するようになって20数年。
その厳しい環境やハードな任務の中でも結婚、出産、そして子供を育てながら空を飛ぶお母さんたちは、自衛隊に根を張って残っています。
自衛隊は今もってなお男社会です。
男女雇用機会均等法があっても、そうしたものが通用しないのが、残念ながら自衛隊です。
しかし、そんな中でも少ない枠を狙って努力を重ね、トップを目指していく凄い女性たちがいます。
今まさに空飛ぶお母さんとなっている航空自衛隊の女性輸送機パイロットたちは、その先駆けとして飛び続けています。
彼女らは何十人もいる同期生の中に1~2名の枠で入隊し、その中で訓練し、学び、生き延びてきたのです。
よって、大変優秀で残るべくして残っていく人材です。しかもとてもチャーミングで意識が高く、魅力的なのです。
そんな彼女らの多くは同業と結婚して、殆ど別居結婚状態で、単身で子供を育てながら仕事をしています。
もちろん親や親族、シッターさんなどの手伝いがあってのことではありますが、その大変さは半端ないはずです。
輸送機は海外に派遣される業務もあります。
子供を理由にして国内のみの業務に専念する人もいますが、積極的に志願して長期間の海外任務に挑もうとする人もいます。
以前テレビのドキュメンタリーとか、カメラマンの作品にも取り上げられたことがある彼女は、幼い子供を実の姉に預けてその数か月にわたる任務で中東に向かいました。
夫も同業の上に激務なので、そちらで子供を育てることもかなわず、という究極の選択です。
お子さんはそんな『別れ』に慣れているのか、手を振ってその飛行機が飛び去るのを見送っていましたが、見ているこちらの方が胸を締め付けられる思いでした。
そして、やっと帰国したその部隊の出迎えのセレモニーが行われた時、家族のもとに駆け寄った隊員の群れの中で、少し大きくなったお子さんを抱っこしてほおずりをする彼女の美しかったこと!
その責任感の強さと、技量のすばらしさは言うまでもありませんが、平和であってこその安全であり、その生活であり。
そんな『空飛ぶお母さん』たちが子供たちのもとへ笑顔で帰っていけるような日本であってほしい、と心から望むものです。
※画像はイメージです。
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