小説、そしてドラマ化、有川浩が描いた「空飛ぶ広報室」の世界。

震災の二年後にTBS系でドラマ「空飛ぶ広報室」が製作、放送されました。
自衛隊という世界を、民放が地上波で連ドラ化?!
信じられない世の中になったものだな、と思いました。

しかし、そこに至るには様々な要因が絡み合い、そして大きな変革、そして理解へとつながっていったのです。

2010年、携帯電話で配信されるサービスで連載されていたのが有川浩さんの小説「空飛ぶ広報室」でした。
有川さんはその数年前から自衛隊三部作(陸・海・空)と呼ばれるようになった小説を書いており、自衛隊にどんどん切り込んでリアルな人間模様を書くことで定評があり、その彼女が描く自衛隊内部のお話だったら、面白くないわけがない!と思っていました。

当時はそのサービスを使えなかったので、2011年夏に紙媒体で出版されるとの情報に、心待ちにしていたのですが、その年の3月に東日本大震災が発生し、発行が一年ほど延期され、加筆の上で2012年に満を持しての発刊は、本当にうれしかったのを今でも覚えています。

ブルーインパルスのパイロットを志しながらも、その夢がかなう直前で交通事故にあい、失意のまま市ヶ谷の防衛省・航空幕僚幹部広報室に転属してきた空井大祐と、テレビ局の報道記者からディレクターへと転向させられた稲葉リカの二人が出会い、互いの仕事をみつめなおして新しい夢を追っていく、という上質の小説でした。
その作中では実際に広報室の面々が直面してきた経験をあますところなくちりばめて、リアルな物語が構築されていました。

さらに驚いたのはその発行の翌年、TBS系列の地上波でテレビドラマ化されたことです。
まさかの自衛隊を舞台にした連ドラ。
しかも稲葉リカを新垣結衣さん、空井大祐を綾野剛さんが演じ、彼らを取り巻くキャストの面々も大変豪華で、今でも神レベルの緻密さで一秒の無駄もないハイクオリティなドラマとして不動の評を得ていますが。
この作品から航空自衛隊、そしてブルーインパルスを知った、という人も多く、ロケ地になった埼玉県の航空自衛隊入間基地の2013年の航空祭には、ブルーインパルス目当ての来場者で例年の5割増し以上、公称32万人、実動は40万人以上ではなかったか、という記録的な快挙にもつながりました。
今でも、入間の航空祭は同様に日本で一番多い来場者を迎えて、盛大に行われています。

ことに女性でブルーインパルスに興味を持ち、空自の世界を見るようになった人が増えた、という意味では有川さんの視点の新鮮さ、そしてドラマのクオリティが大きく影響していると思われますが、そういう部分から理解が進み、自衛隊のさまざまな活動に良い影響を与えてくれたというのであれば、有川さん、そして作品のファンとしては嬉しい限りです。

ドラマは、現在でも配信サイトなどで見ることができますよ。
興味をお持ちになったら、是非一度ご覧くださいね。

(C)  空飛ぶ広報室 TBS
(C)  空飛ぶ広報室 TC Entertainment, Inc.

※アイキャッチはイメージです。

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