世界に見るアメリカと諸外国の友好関係について

第二次世界大戦以後、世界最大の経済・軍事力を揺るぎないものとしたアメリカは、その経済・軍事力を背景にして他国との間に複数の同盟や条約を締結しています。その結果、海外にもアメリカ軍の基地をこうした同盟や条約に則って展開し、所謂「世界の警察」と言われるような国際関係での超大国としての地位を確立しました。

旧ソ連の崩壊までは同国とその同盟であるワルシャワ条約機構を最大の仮想敵と見做し、それらの勢力を東側陣営、アメリカ側を西側陣営と呼ぶ対立構造が続きました。現在は米中新冷戦と呼ばれるような急速に台頭してきた中国とアメリカの対立が鮮明になっていますが、2020年現在のアメリカにおける世界の友好国、つまり同盟や同盟国を整理してみたいと思います。

アジア地域におけるアメリカ

まずはアジア地域において、友好的な各国とのアメリカの関係について解説していきます。

日本との日米同盟関係

先ずはアメリカのアジア最大の同盟国と言えば、やはり1960年締結の日米安全保障条約と日米地位協定に基づき、1980年代以降は日米同盟とまで表現されるようになった日本でしょう。

第二次世界大戦で日本との太平洋戦争に勝利したアメリカ及び旧ソ連・中華民国を除く連合国は、1951年に日本とサンフランシスコ講和条約を締結、日本は国家主権を回復しました。同時にアメリカとの両国間では旧日米安全保障条約を締結し、これが前述の1960年の更新を経て現在まで続く同盟体制となって、日本国内にアメリカ軍を駐留させる法的根拠となっています。

以下の項目でも触れますが日米安全保障条約と日米地位協定に基づく日米の同盟関係は、世界各地に駐留を行うアメリカ軍の中でも唯一空母打撃群が置かれている希有な体制です。横須賀を母港とするアメリカ海軍・第七艦隊がその任に当たっていますが、この点からもアメリカがアジアにおける日本の地理的状況を重視していることが窺えます。

韓国との米韓相互防衛条約

太平洋戦争で敗北し日本の領土から離れた朝鮮半島では、旧ソ連・中国の支援を受けた北朝鮮とアメリカの支援を受けた韓国とに分断される状況が生じました。この構図で戦われたのが1950年から53年迄の朝鮮戦争であり、朝鮮半島にアメリは軍を派遣し支援する韓国軍と共に北朝鮮軍と援軍たる中国軍との戦闘を行います。

韓国の成立後、アメリカは先ず「米韓軍事協定」を両国間で締結しており、これに伴い朝鮮半島の共産化を阻止すべく軍事介入を行ったものです。以後、朝鮮戦争の休戦となる1953年に、現在まで続く「米韓相互防衛条約」を韓国とアメリカは締結し、日本と同様にアメリカ軍を駐留させる体制を継続しています。

しかし2019年にはアメリカのトランプ政権が駐韓アメリカ軍の駐留経費を従来の4倍以上に引き上げる方針を打ち出しており、日本も同様の要求を受けているとも言われています。こうしたアメリカ側の要求もあり約30,000名とも言われる在韓米軍は、今後その規模が縮小すると見られています。

台湾との特殊な関係

アメリカと台湾との両国間には1954年に締結された「米華相互防衛条約」が存在していましたが、1979年の米中国交回復が行われたことで国家の地位を消失、同条約も失効しました。これにより「中華民国」を名乗り「中国」だった筈の台湾は微妙な立場に追い込まれることになり、「中国」とは今の大陸の中華人民共和国を指すことになり現在に至ります。

日本も政治的にはアメリカに先んじて日中国交回復を行い、同じく台湾を国家として認知しない立場に立脚しました。
しかし近年の経済戦争の激化や新型コロナウィルスの問題での米中間の関係悪化の情勢から、アメリカは再び台湾を国家と認知する方向に立場を変えてきています。

そして2019年にはそれまで慎重であった台湾への武器輸出を緩和し、F-16V戦闘機66機の売却を承認するなど、対中国を睨んだ方針転換が顕著に窺えます。

その他のアジア・太平洋方面の国々とアメリカ

オーストラリアとニュージーランドとアメリカは1951年に「太平洋安全保障条約」を締結、同盟関係ではあるものの、ニュージーランドが核兵器の持ち込みに反対、離脱傾向にあります。逆に中国を最大の貿易相手国としてこれまで親中色の濃かったオーストラリアが中国の海洋進出に警戒感を強め、アメリカや日本寄りの安全保障体制への合流が感じられます。

またフィリピンはスペインの後アメリカが植民地としていたこともあり、アメリカ軍の駐留も行われていましたが、1992年に終了した後、中国の南シナ海進出で今後の動静に注目が集まっています。

ミクロネシアは第二次大戦後に日本から離れアメリカの信託統治領となったことでアメリカ軍基地が置かれ、1979年に独立した後、1986年に自由連合盟約国に加盟しました。これによりアメリカによる庇護を受け入れる一方で、ミクロネシア人はアメリカ軍に入隊可能で、近年のイラク戦争やアフガン戦争などでは従軍した兵から犠牲者も出しています。

アジア以外でのアメリカの展開

次に悪化の一途をたどる中東でのアメリカの友好関係について解説していきます。

中東におけるアメリカ

かなり特殊なのがパキスタンで1947年にアメリカと「相互防衛アシスタント協定」を締結、中東でのアメリカの橋頭堡的な立場でしたが、近年は反米イスラム組織の広まりで関係が悪化しています。

逆に取り交わされた条約や同盟が存在しないにも関わらず、1990年の湾岸戦争以後、アメリカ軍が駐留しているのがサウジアラビアで、2003年には一時撤収したものの、2019年から再び駐留しています。サウジアラビアは豊富なオイルマネーを背景に王族が支配する独裁国家ですが、その資金を巡ってアメリカと協調している一面もあり、イスラム国の中でも異色の存在と言えそうです。

中東におけるアメリカの最大の支援国がイスラエルで、1985年以降「米国とイスラエルの戦略的パートナーシップ法」に基づき、年に30億ドル以上の資金援助が為されてきました。これらの資金はイスラエルが開発・研究する軍需関連の費用に充当されており、そこで得られた技術はアメリカ側に逆にフィードバックされる循環環境が構築されています。

ヨーロッパやアメリカに近い国々との同盟・条約

最後にNATO、そして、自国から最も近い中南米の国々について解説します。

もつとも有名な軍事条約NATO(ナトー)=北大西洋条約機構

北大西洋条約機構=NATO(ナトー)は第二次世界大戦後に台頭した旧ソ連とワルシャワ条約機構に対抗するために、米英が主導し西側各国を糾合した軍事同盟で世界的に最も有名なものでしょう。この条約に基づきドイツやトルコなどの地域にアメリカ軍が駐留してますが、仮想敵であったワルシャワ条約機構は旧ソ連の崩壊を受けて1991年に消滅しました。

そのため以後はアフガニスタン紛争やイラク戦争にも北大西洋条約機構=NATO加盟国は従軍するなど対象地域を広げ、且つ加盟国も12か国から29か国まで増加しています。
因みにヨーロッパ中心の条約ではありますが、北米大陸のカナダもこれに加盟しています。

米州相互援助条約・リオ条約は中南米の国々が対象

最後はアメリカから見た場合、地政学的に自身の足下にあたる中南米の国々との米州相互援助条約、通称リオ条約は1947年から発足、アメリカが西側陣営に中南米の各国を組み込むものでした。

従ってキューバやウルグアイなど政権が東側・共産主義化した国家などの脱退があり、旧ソ連崩壊後の2004年にはアメリカのイラク戦争に反対したメキシコが脱退するなどしています。
反面、アメリカに依存する安全保障体制だけではなく加盟国相互の強調の側面も強まり、アメリカ一色からの脱皮を図る傾向も出てきています。

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