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祖母の忠告

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古い習慣が今でも残る、山梨県の忘れ去られたような村で育った祖母。
祖母に纏わる少し不可解な話をします。

目次

祖母が亡くなった・・・・

今からだいぶ以前になりますが、東京の杉並区のアパートでひとり暮らしをしていました。
休日の確か昼ぐらいにドアをノックされ、出てみると喪服を着た中年男性が二人立っていた。
二人は深々と頭を下げ、「祖母がなくなり、葬儀は山梨県〇〇市〇〇村、〇〇宅で執り行われる」と告げます。

これは今ではすっかり廃れてしまった風習で、弔い飛脚と言う人たち。村で人がなくなると飛脚をたてて、親族や生前に交友関係があった人に亡くなったことを知らせに行くのです。
私が幼い頃、近所の人が亡くなった時、飛脚をたてる話し合いをしているのを耳にして知ってはいましたが、まだその風習が残っていたんだと・・・帰って行く二人の姿を見送りました。

話は少し飛びますが、祖母が亡くなった時、遺体は樽のような棺に納められ、おんぼ担ぎと呼ばれる村人何人かに担がれて火葬場へ行き、その後に寺の入り口の近くに埋葬されました。

古い風習が残る土地柄なのです。

祖母がやってきた

祖母が亡くなって3回忌が済んだころ、同じように休日にアパートのドアがノックされました。
覗き穴から確認すると、大きな風呂敷を担いだ祖母がにこにこと笑いながら立っているのです。
昔、祖母は行商の仕事をしていたと聞いていますので、生前の姿でやってきた。

祖母が亡くなった事は理解していますが、大好きな祖母にまた会えたことが嬉しくてドアを開けると、何食わぬ顔で上がり込み荷物を下ろすと、ほっとしたような顔で私が淹れたお茶をすすり始めます。
怖いとか恐ろしいなどとはまったく感じません。ただ、あまりにも自然な様子に、亡くなったことに気が付いてないのかも知れない?と感じるほど。

「ばあちゃん、よく来たね晩御飯でも食べようか?」と、尋ねると「うん、うん」と頷き、冷蔵庫にあった塩鮭を焼き、漬物と味噌汁を出すと「うまい、うまい」と食べたのでした。

祖母はご飯を食べ終わると、風呂敷包みを担いで立ち上がります。
「あー、食った食った、ばあちゃん腹がいっぱいだ帰るとするか」
「ばあちゃん、今日はどうして来たの?」
「あー、忘れるとこだった。あんた、今度旅行は行くんじゃないよ、やめときな、またそのうち行けばいいんだから」と言い残して、アパートの入り口で、かき消えました。

社員旅行

実はその時、社員旅行が明後日に迫っていたのです。
私は風邪を引いて旅行には行けないと会社に知らせる事にしたのですが、・・・でも、私が行かなければいいんだろか?
なにか胸騒ぎがするので仲の良い同僚に電話して、旅行で何かあるといけないから、あなただけに知らせておくと、ありのままを伝えました。

社員旅行の当日、皆を乗せたバスは中央高速で13台を巻き込む玉突き事故に合いました。幸いにも重症者や死傷者は無く、何人かが打撲や軽いけが程度。よく私にちょっかいをかけてくる部長だけが、頭を強く打って検査入院したそうです。忠告した友人は最初のサービスエリアで偶然にお守りを見つけ、私の言葉を思い出して購入し、そのおかげでしょうか?無事だといいます。

祖母が尋ねて来たのはそれきりです。

※画像はイメージです。

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