日本の数ある特撮映画の中でも名作として名高い「ガメラ2 レギオン襲来」。
その特徴?とも言える、自衛隊がカッコいい!という視点を中心にして、ご紹介したいとおもいます。
自衛隊vs怪獣
自衛隊が怪獣と戦うといえば、2016年公開の「シン・ゴジラ」を彷彿とする方が多いかもしれません。
しかし、活躍するといえば「ガメラ2レギオン襲来」ではないでしょうか?
無論それ以前にも、自衛隊と怪獣の衝突が描かれた作品はありますが、ほとんどがSF超兵器を使い現実離れしています。しかし本作ではSF超兵器の類は出てこない、すべて現実の自衛隊が使っている兵器で戦います。
戦後日本で作られたSF映画の中で最高傑作をあげるならこれ!という人物も多くいるほど、現在でもカルト的人気が高い作品でもあるのです。
宇宙怪獣を相手にガメラと自衛隊が共闘
ストーリーは怪獣映画として非常にシンプル。
突如宇宙からやってきた謎の物体は植物の種で、発芽した植物と共生関係にある巨大な虫の怪獣レギオンが、植物を守るために宇宙から飛来します。
やがて地球を守るために現れたガメラが迎撃しますが、レギオンの前にぼろ負けし、さらに植物の自爆に巻き込まれる形で殺されてしまったのです。
そこで自衛隊の奮闘、ガメラも蘇り共闘し、地球の存亡をかけた戦いが始まるのでした。
ちなみにガメラシリーズはゴジラとの差別化として、人間とコミュニケーションを図ります。
本作でも戦いが終わった後、自衛隊に感謝するように一瞥するなど、感情表現が多彩だったのが印象的でした。
金子監督の意図
この作品が公開される前、自衛隊が活躍する映画という事で共産党の機関紙から「自衛隊が登場して実在の兵器で戦うのは、自衛隊のプロパガンダに利用しているのではないか?」という批判を受けました。
90年代は、まだまだ自衛隊そのものへの反発も強かったとおぼえのあるのですが、なぜ一般紙ではなく共産党の機関紙からなのかと調べてみたのですが、金子修介監督は親の代から共産党党員だったのです。
そして日本は太平洋戦争で負けて以降、戦争を扱う娯楽はタブーになっていて、それを補う形でロボットアニメや怪獣特撮などが流行していたという背景もあるかと思います。
それに対して金子監督は「そのような批判は公開してからしてください」という反論をしたのは、一人のファンとして、なにか清々しいようにも感じたのを覚えてします。
ではなぜ自衛隊がいった疑問が湧くとおもうでしょう。現在でこそ「シン・ゴジラ」などSF超兵器を極力排除した、現実味がある怪獣映画を制作される傾向もありますが、たしかに当時は珍しいものでした。
その理由として特撮ファンの間で、「秘密兵器がでてこない、自衛隊の武器のみで怪獣と戦う映画がみたい」という欲求は強くあり、ガメラ2はその欲望を実現した映画になっていたのです。
だからそこの名作!
いかがだったでしょうか?
「ガメラ2 レギオン襲来」は色々な要因があり、虚構のなかの現実感が強調された、日本SF映画界にその名を遺す金字塔的作品になったと思います。
一度みなさんもみてみてはいかがでしょうか。
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